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超党派「非正規雇用議連」2015年度第1回勉強会を開催

6月10日(水)の夕刻、私が事務局長をつとめる「非正規雇用労働者の待遇改善と希望の持てる生活を考える議員連盟(非正規対策議連)」の今年度第1回目の総会と勉強会を開催しました。

 

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昨年11月に設立された当議連でしたが、12月の衆議院解散の影響や通常国会の対応等、複雑な政治状況の中でなかなか具体的な活動ができないままでしたが、ようやく勉強会の開催に漕ぎ着けました。また、勉強会の開催を機にあらためて全国会議員に入会を募ったところ、新たに13名の議員が参加してくれて、全体で65名のメンバーで取り組みを進めていけることになりました。嬉しいですね。

そして、祈念すべき第1回目の勉強会は、東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授をお招きして、「非正規雇用問題にどう対処すべきか?ー政治への提言ー」というテーマでご講演いただきました。水町先生には、日本の非正規雇用労働者の現状や欧米諸国の法規制の現状、そして日本の法規制の課題や政治への具体的な提言など、大変明快にお話をいただきました。

具体的な提言の中では、パートタイム労働者や有期契約労働者だけでなく、派遣労働者についても均等待遇原則(不合理な労働条件の相違の禁止)を法制度化することの重要性を強調されていました。そして、均等・均衡待遇の実現のために、社会保険制度上の優遇措置や公契約入札上の優遇など、何らかの経済的インセンティブの付与を政策上、検討すべきとの指摘は、今後の議連の活動にも大変参考になる提言でした。

出席された議員からも活発な質問、意見が出されて、有意義な勉強会となりました。率直に、超党派の国会議員で、雇用問題を真摯にかつ建設的に議論出来るって素晴らしいな〜と、この議連の良さ、存在意義をあらためて確認できた勉強会となりました。今後もしっかり活動していきますね!

ILO活動推進議員連盟2015年度第2回勉強会を開催

本日(5月19日)朝8時より、私が事務局長を務めている「ILO(国際労働機関)活動推進議員連盟(以下、ILO議連)」の今年度第2回目の勉強会を開催し、多数の会員議員と政労使の関係者の皆さまにご出席をいただきました。

 

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今日の議題は、6月1日から13日までスイスのジュネーブで開催される第104回ILO総会の議題と、それぞれの議題の主な討議ポイントについてです。まず、政府側を代表して、厚生労働省の井内国際課長より説明を頂き、続いて、桜田労働側理事と松井使用者側理事から、労使それぞれの課題認識についてお話しをいただきました。

今日、ご説明いただいた、今次ILO総会の主な議題と、ポイントは下記の通りです。

1)本会議・・・今年のテーマは、「労働の未来」で、ガイ・ライダーILO事務局長から報告が行われたあと、各国の政府代表演説、労使代表演説などが行われます。

2)一般討議・・・中小企業におけるディーセントワークの実現をテーマに、中小企業の雇用の質を改善し、生産性の高い雇用を創出するための政策等について議論を行う。

3)基準設定・・・途上国を中心にインフォーマル経済(露天商など労働関係法令や社会保障の適用がないか不十分な者による経済活動全般をさす)で働く労働者が拡大していることを踏まえ、フォーマル経済への移行促進に関する勧告の策定について議論を行う。

4)周期的議論・・・ILOの4つの戦略的目標(雇用、社会的保護、社会対話、労働における基本的原則と権利)について毎年1つづつ議論をしていて、今年は社会的保護の順番になる。グローバル化の進展、インフォーマル経済や非典型雇用の拡大等により変化する労働の世界に対応した社会的保護(労働者保護)の在り方(特に賃金政策・労働時間制度・労働安全衛生・母性保護)について議論を行う。

5)基準適用委員会・・・各国におけるILO条約の適用状況について個別審査等を行う。

 

これについて桜田労働側理事からは、

  1. ILO総会の期間が、今回、トライアルベースとはいえ2週間に短縮された。かつて4週間だったのが、3週間になり、今回2週間に。あまりに効率性に傾きすぎで、総会の効果に問題が生じる懸念がある。結果がどうだったか、しっかり検証していきたい。
  2. 総会の基準適用委員会が3年続けて不正常で終わっているので、今年こそ正常化させたい。
  3. 中小企業は課題も多いが、それだけ可能性も秘めている。企業のイニシアチブで労働者の存在への目配り、労働条件の底上げをお願いしたい。
  4. インフォーマル経済については、途上国だけの問題ではない。今や日本も含め、OECD加盟国ですら雇用のインフォーマル化が進み、偽装請負や偽装親方が拡大し、ワーキングプア問題が発生している。日本がアジアのインフォーマル経済にどう対応していけるかも含めて、しっかり議論していきたい。

 

また、松井使用者側理事からは、

  1. 事務局長報告の日本語訳が未だに出来ていない。いつも対応が遅いので、事前の準備が大変であることを付言しておきたい。
  2. インフォーマル化が途上国だけの問題ではないというのは同じ認識。日本企業にとっては、海外進出の際のイコールフッティングの問題でもあるので、勧告が採択されることは評価している。
  3. 中小企業に関しては、特にASEANで開発が遅れている国については、産業人材が整っていないので、育成の協力をしていきたい。ただし、保護だけに傾かず、バランスの取れた議論をお願いしたい。
  4. 総会の基準適用委員会については、改めて、純粋に条約監視のための委員会なのか、国内政治を持ち込む場なのか、懸念を持っている。が、今年は何とか、正常化するよう努力していきたい。なお、今回は、個別案件で日本問題がかかることはなさそう。

その後、出席議員と活発な意見交換が行われました。ILO総会終了後、6月中に、ILO総会の報告会を議連でまた開催する予定です。ちなみに、今回のILO総会への日本の参加者は、総勢50名とのこと。皆さん健康に留意され頑張ってきて下さい!

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厚生労働委員会で安倍内閣の労働法制改悪を追及!

5月12日(火曜日)、連休明けて最初の参議院厚生労働委員会が開催され、またまた私が民主党の質問バッターとして質問に立ちました。この日は、一般質疑(厚生労働に関わる問題について自由に質疑が出来ます)ということで、労働法制改悪の諸問題に焦点を当て、主に塩崎厚生労働大臣に対する質疑を行いました。

 

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取り上げた課題と、主なポイントは下記の通りです:

1.労働基準法改正案(労働時間規制の緩和)について

最初に、いわゆるホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制等の適用除外=高度プロフェッショナル労働制)という大問題を含む労働基準法改正案について2点。

まず1点目は、メディア報道もあったので皆さんもご存じかも知れませんが、4月20日に開催された「日本経済研究センター会員会社・社長朝食会」での塩崎厚生労働大臣の暴言問題です。塩崎大臣は、居並ぶ社長さんたちの前で、この高度プロフェッショナル労働制について「もの凄く少ないところでスタートするけれども、我々としては小さく産んで大きく育てると、そのためにとりあえず導入するので、今は我慢して、黙っておいて、まずはこのまま成立させて欲しい」とお願いしていたのです。

連休前の私の質問に対して、「そんなこと絶対に言ってない」と答弁していたのですが、その後、録音テープが出てきて、それを確認したらハッキリと言っていたわけです。逃げられませんね。でも逃げるんです、塩崎大臣は。開き直ったと言ってもいいですね。「そういう趣旨ではない、発言した私が言うんだから間違いない」と。いや、大臣、でもはっきり言っちゃってますよ(苦笑)。

これ、本当はもっと対象者を増やしたい、だから最初は限定だと言ってだまし討ちをするので、導入してしまえば徐々に対象者を拡大していけばいいよねという、大臣と社長さんたちの本音が出ちゃったのでしょう。やはり、絶対に成立させてはいけない法案です。はい。

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2点目は、法案が義務付ける健康確保措置について。いや、これ、全く健康確保措置になっていませんね、という確認です。

高度プロフェッショナル制度の対象となった労働者は、労働時間の規制も、休憩の規制も、休日の規制も、もちろん残業代の割増も、全て適用除外になってしまうのです。何時間働こうが残業代は出ないし、休日・深夜の割増もないし、成果を出すために何時間働こうが合法なのです。とんでもないですね。

政府は「法案には健康確保措置があるから大丈夫」と説明していますが、ではその中身は? はい、ザルです。事業主は、(イ)24時間で一定時間の休息時間、(ロ)1ヶ月または3ヶ月で一定の上限労働時間、(ハ)4週で4日間かつ年104日間以上の休日付与、のいずれかを選択すればいいんですね。例えば、(イ)を選択して、休息時間が10時間になったとすると、それが唯一全ての規制。つまり、もう休憩も休日も与えなくてO.K.ですから、1日14時間勤務を、1年360日続けても合法です。これが健康確保措置???

成果を出すことを求められて、期限まで決められたら、その結果を出すために長時間働くしかなくなる。そのことに対する歯止めがまったくない過労死促進法案です。でも塩崎大臣、それは極端な例で、そうはならないと。こんな内容でそうならないなら、今の日本に過労死や過重労働による精神疾患なんてないはずですね。そのことに関する問題認識がまったくない残念な答弁でした。

2.労働者派遣法改悪案(改正案)について

続いて、労働者派遣法改悪案について質問しました。

まず、「10.1問題ペーパー」に関する問題について。これは、厚生労働省の担当課が、現行の2012年改正労働者派遣法で導入された「労働契約申込み見なし制度」に関して、このままその施行日となる10月1日を迎えると、企業が心配して、派遣労働者の42%を占める専門26業務の労働者を解雇してしまうので、大量の失業者が出て大混乱になるから、それを防ぐためにもこの改悪法案を早く成立させてくれないと大変だ、という内容のペーパーを作って与党議員(一部の野党議員も)に説明に回っていた問題です。

これ、とんでもない話なんです。1つには、明らかに虚偽の内容を含んでいます。だって、専門26業務の多くは、業務が明確で、間違いようがなく、正しく運用されています。つまり、10月1日が来る前に解雇されるなんてことはないわけです。問題になるのは一部の業務で、全体から言えば少数なのですね。2つには、そもそもこのみなしの施行には3年間の猶予期間が設けられていて、その間に、26業務適正化プランが厚労省の旗振りで実施され、グレーだった一部の業務でも正しい運用に直されてきたわけです。つまり、ちゃんとした企業はすでに対応を終えているわけで、今なお違法の可能性があるのは、ブラック企業なのです!!!

本当に残念ながら、派遣労働者を違法派遣から守るために設けたこの規定を、ブラック企業を救済するために骨抜きにしてしまおうとしたと批判されても仕方がない行いです。それを労働者を守るために働くべき厚生労働省がやったのですから、言語道断ですよ。

質疑では、塩崎厚生労働大臣も、「行き過ぎた表現があって、訂正させた」と問題を認めざるを得ませんでしたが、それでも大臣としての責任は全く認めないような無責任答弁でした。

3.国家戦略特区法改正案における外国人家事労働者受入問題について

次に、今国会に提出されている国家戦略特区法改正案で、外国人家事労働者の受け入れ解禁が含まれている問題について。国家戦略特区は、内閣府の所管で、答弁には担当の小泉進次郎政務官が出席してきました。初対決(?)でした。

始めに、今回、国家戦略特区内で、外国人家事労働者を受入・就労可能にすることの目的は何なのか、なぜ、日本人の雇用・就労機会の拡大ではダメなのかと質したところ、小泉政務官からは、特区内で選択肢を広げただけだとの意味不明の答弁。その後の質問にも、官僚の答弁書を読むだけで、どうにもちぐはぐな答弁に終始してしまいました。う〜ん、どうやら小泉政務官、問題の本質を理解されていないようですね。

「検討するにあたって、現行の家事代行サービス業がどういう状況になっているのか、分析をしたのか? どれぐらいの事業者がいて、労働者は何人ぐらいで、雇用形態はどうなっていて、賃金や労働条件はどうなっているか理解しているのか?」という質問に、「分かってなかったら議論できない」と答弁されたので、「では分析に使ったデータ資料と議事録を委員会に提出して欲しい」と要請。出して貰いましょうね、本当にあるなら(事前のレクで要請したら出てこなかったんですけどね、でもあるんでしょうね、小泉政務官があるって言ったんだから・・・)。

加えて、塩崎厚生労働大臣に、「この問題が特区検討会議で議論されている間、家事労働者の問題に関する国際的な動向や、家事労働に関するILO第189号条約の採択の背景やその内容などについて、厚生労働大臣としてきちんと情報提供を行ったのか?」という質問に対して、「いや、何もしておりません」という答弁。いや、本当にふざけてるとしか言いようがありません。仕事していませんね、大臣・・・。

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4.外国人技能実習制度の適正化と拡充について

最後に、前回の一般質疑に続いて外国人技能実習制度の問題について質問したのですが、今回も時間がなくなってしまい、1点のみしか聞くことが出来ませんでした。

技能実習制度の最大の問題である「送り出し国側の悪質な民間ブローカーの介在」を排除するためには、二国間条約(協定)による公的な管理の強化がどうしても必要で、政府もそれはやると言っているのです。でも、今回の法案にはそれが含まれていないので、送り出し国との協議、そして条約の締結はいつになるのかを質しました。担当の葉梨法務副大臣からは、「二国間協定については先送りするつもりはなく、協議には取り組んで行きたいが、二国間協定がなければ今回の法案の内容(拡大)を進められないというものではなく、並行的に進めて行く」という答弁。それじゃダメだと繰り返し指摘して、質疑を終えました。

 

全体を通じて、労働法制のなし崩し的改悪について、ますます強い危機感を抱きました。労働者派遣法改悪案については、いよいよ衆議院で審議が始まっていますので、これから戦いが本格化していきます。引き続き、頑張っていきますので、ぜひ応援を宜しくお願いします。

勤労青少年福祉法改正案について質問をしました

少し報告が遅くなりましたが、4月16日(木)、参議院厚生労働委員会において、新規学卒求職者の適職選択を支援することが主な目的の「勤労青少年福祉法改正案」について、民主党会派を代表して45分間、質問に立ちました。

 

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この法案がめざすのは、これから社会に出る新規学卒者が、なるべく自分の希望に合った企業に就職し、定着できる環境を促進すること。そのために、企業に離職率や有給取得率など職場情報の積極的な提供を促すとともに、労働基準法違反を繰り返すなどのいわゆるブラック企業について、ハローワーク等での求人情報の不受理を可能にするものです。

民主党は、筆頭理事の津田弥太郎議員と私の二人で質問を担当。津田議員に続いて二番手で質問に立った私は、主に次の事項について政府の見解を質しました:

1.職業紹介事業者の範囲について

この法案における「職業紹介事業者」には、中学校以上の学校や地方公共団体も届け出をすれば対象になることを確認したうえで、大学はほぼ100%が職業紹介事業者になっている一方、高校は3割程度に留まっていることを指摘して、本法が成立した暁には高校にも積極的に役割を果たして貰えるよう、事業者登録を促進することを提起しました。

2.学校卒業見込み者の範囲について

青少年に雇用情報を提供する対象が、新規の学校卒業見込み者に限定されてしまっているので、適職選択促進という本法案の趣旨に鑑みて、就職浪人卒業生や第二新卒、将来の就職準備をする1年生や2年生も対象に含めるべきことを強く要請し、運用面での改善を求めました。

3.青少年雇用情報の内容について

この法案に例示されている雇用(職場)情報の提供は、本来、義務規定にすべきものであって、求職者側からの求めがあれば、当然に提供されるべきではないかと指摘。この点は、私だけではなく何人もの議員が同じ指摘を行いましたが、政府側は「中小企業への配慮等から、当面、提供する情報の選択を企業側に委ねる形でスタートし、ハローワークの求人情報欄に項目を作って情報提供を促していくなど、運用面で実現を図っていくので、今回はこの内容でお願いしたい」と平行線で終わりました。若者の就職支援といいながら、学生が勇気を振り絞って求めた情報が提供されないという大きな矛盾を許容するなど、もってのほか。今後も改善を求めていきます。

4.情報の求め方について

企業に情報提供を求めていくことは、その企業への就職を考えている若者にとっては、大変勇気のいることであり、かつリスクのある話(採用上、不利益を被る可能性)なので、たとえば職業安定所や学校などの職業紹介事業者が学生に代わって企業に情報請求するなど、個人を特定しないでも情報請求することができることを確認。この点は半歩前進です。

5.企業側が情報提供義務に反した時の罰則について

企業が情報提供義務を果たさなかった場合に、指導や勧告等があるものの企業名の公表がなされないことの問題点を指摘しました。ただでさえ就職情報が氾濫している状況下にあって、企業名を公表することは、学生側に正確な情報を伝えるうえでも、採用上の不利益を受けないためにも大切であることを強調しましたが、今後の運用の中で検討していきたいとの消極的な答弁でした。

6.ブラック企業求人の不受理について

5の質問とも関連しますが、ハローワークで求人情報の不受理処分になった企業も、この法案では企業名の公表はされません。そうすると、ハローワークで不受理になった企業が、民間の就職情報誌等ほかの手段では大手を振って求人できるわけで、それではまったく意味がないのではないかと指摘。職業紹介事業者も含めてハローワークの対応に準じるよう第7条の指針に書き込むべきではないかと具体的な提案をしましたが、前向きな回答はなし。ただ、できるだけハローワークに準じた対応をしてもらえるよう、運用上の検討はしていきたいとの答弁でした。

7.公務員への適用について

最後に、雇用情報の提供先として国家公務員や地方公務員が、今回の法案で適用されていない点に関して、特に地方では公務部門が主要な若者雇用の受け皿になっている実態を考慮すれば、民間事業者より国や地方公共団体こそが率先して情報提供すべきではないかと塩崎大臣に質しましたが、人事院や総務省との協議のうえでこの内容になったという相変わらずの縦割り官僚答弁。これじゃダメですね。

ということで、まだたくさんの質問項目を用意していたのですが、ここで時間がきてしまいました。

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この法案には、民主党としても賛成票を投じ、全会一致の賛成で可決しました。参議院先議でしたので、これで衆議院に送られ、衆議院でも可決すれば成立します。今後は、この法案が実際に若年者の就労状況の改善に役立つよう、しっかりと政府の取り組みを監視していきます。

参議院厚生労働委員会で一般質疑に立ちました!

4月14日(火)、先週に引き続き参議院の厚生労働委員会で、民主党会派を代表して50分間の質疑に立ちました。

 

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この日は、厚生労働行政に関わる一般質疑。要は、何を質問してもOKです。そこで、私が取り上げた課題は以下の通りでした:

1.医療現場における勤務医や看護師の過重労働問題とその対策について

まず、もうずっと前から問題が指摘をされている医療現場での勤務医や看護師の過重労働問題について、塩崎厚生労働大臣の現状認識と、具体的対応について質問しました。塩崎大臣も「勤務医や看護師の過重労働問題については深刻な状況があると認識している」と認識を共有してくれたのですが、しかし「では厚生労働省として実態調査を行っているのか?」と問うと、「していない」との答弁。これじゃダメです。まず、きちんと実態調査を行い、その上で適切な対応を行うよう求めました。

次に、病院等医療機関における産業医の選任について、病院長が産業医になっている実態があることについて塩崎大臣に見解を質しました。過重労働が蔓延する病院では、病院の経営者や管理者側が、勤務医や看護師に過重労働を強いている現実があることを考えれば、その管理者側の代表たる病院長が、産業医となって従業員たる勤務医や看護師と面談し、健康管理・指導をすることなど到底、適切とは言えません。

大臣には、通達でもいいから、病院管理者が産業医に就くことを原則、禁じるように指導することを提案しましたが、明確な答弁は返ってきませんでした。ただ、対応を検討してみたいとのことでしたので、今後またフォローしていきます。

さらに、看護師の夜勤回数や連続勤務時間に関する規制についても確認したのですが、なんと、現行法令では規制はないと。人の命を守る医療の現場で、過剰な夜勤や連続勤務が蔓延している実態があるわけで、早急に実態を調査した上で、法改正を検討するなり、当面、通達などで夜勤回数の抑制を指導するなりしてはどうか?と提案しました。こちらも明確な約束はありませんでしたが、実態調査は検討してみたいとのことでしたので、今後の対応をモニターしていきたいと思います。

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2.外国人技能実習制度の適正化と拡充について

今回、政府は、外国人技能実習制度の「適正化策」と「拡充策」をセットにした法案を国会に提出してきました。しかし私たちは、諸外国や国際機関からも批判の的となっている技能実習制度を、根本的改革なしにパッチワーク的な改善だけを行い、なし崩し的に対象職種や研修期間の拡大を行うことは決して許容できないという立場です。

今回の法案は「適正化策」と「拡充策」をセットにして提案しているため、まず塩崎大臣に、「適正化策を実行し、その効果と問題の解消を確認してからでなければ、拡充策を実行するべきではないのではないか?」と問いただしたのですが、塩崎大臣、どうしても私の日本語が理解出来なかったようで(苦笑)、結局、明確な答弁は得られませんでした。が、適正化を段階的に実行しながらも、拡充策はすぐにでも実施していくようなニュアンスの答弁がありましたから、それが政府の本音だと思います。

さらに、現行制度の最大の問題の一つは、送り出し国側の送り出し機関に対して実効性ある対応が出来ず、悪質な民間ブローカー等が排除できない構造的な問題なのではないかと、入管行政を所管する法務省の葉梨法務副大臣に見解を質しました。その上で、国際研修協力機構(JITCO)は、送り出し国側の政府機関と定期協議を行って課題の解決を図るとされているが、主要国でも定期協議がほとんど実施されていない問題を指摘。二国間協定の締結が適正化に向けて大変重要であり、それなくして拡充はありないことを強く求めました。

本当は、これに加えて、新設される外国人技能実習機構(仮称)にどこまで実効性ある調査権限が付与されるのかという問題と、介護に従事する外国人の受け入れについて新たに在留資格を設ける問題についても質問を用意していたのですが、塩崎厚労大臣との「会話」に時間を使い過ぎてしまい、ここで最後の質問に移らざるを得なくなってしまいました。残念・・・。

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3.労働基準法改正案の労働時間規制の緩和について

最後に、今度提出された労働基準法改正案の高度プロフェッショナル労働制 −−− われわれが「定額働かせ放題制度」「過労死促進制度」「残業代ゼロ制度」と呼んでいる「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外制度)」ですが、これについて、一点だけ、大切な問題の確認を行いました。

安倍総理も塩崎厚労大臣も、そしてこの法案の閣議決定を伝えた大手メディアのほとんども、今回のこの新たな制度を「時間ではなく、成果で報酬が支払われるようになる制度」と国民に伝えています。では「法案のどこに、成果で報酬が支払われることが規定されているのか?」と塩崎大臣に確認したわけです。最初はモゴモゴ言っていましたが、最後に「条文には書いてありません」と認めました。そう、書いてないんです、どこにも・・・(苦笑)。つまり、この法案がめざすのは「成果で支払われる制度」なんかではなく、「労働時間や休憩・休日規制から除外される労働者を創り出す制度」なのです。

塩崎大臣には、「メディアにあらためて報道が間違っていることをしっかり言うべき」と求めて、質問を終わりました。

 

50分の質問時間でしたが、あっという間でしたね。でもまた質問に立ちます。次は、4月16日(木曜日)です!

参議院厚生労働委員会で平成27年度予算案について質問しました!

4月7日(火)に5時間コースで開催された参議院厚生労働委員会は、平成27年度予算案のうち、厚生労働省所管部分の予算に関する委嘱審査。前日の参議院ODA特別委員会に続いて、私が民主党会派を代表して質問に立ち、塩崎厚生労働大臣に対して30分間の質疑を行いました。

 

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今回の質問で取り上げた事項とポイントは、主に以下のとおりです:

1)雇用のミスマッチが顕著な職種とその解消に向けた施策について

    • 有効求人倍率が恒常的に概ね2倍程度以上あるのに、充足率や就職率が中長期にわたって低水準にとどまっている、または悪化している業種や職種についての認識は?(→医療・介護、建設、保安分野などに言及あり)
    • そのようなミスマッチの激しい業種・分野への雇用対策が来年度予算要求の中でどうなっているか?(→あまり具体的な説明なし)
    • 例えば、保安の職業は、2014年度で4.73倍の有効求人倍率があるのに、充足率は対有効で4.7%にとどまっている(つまり100人の求人に対して5人しか満たされない)が、保安の分野で人材不足が続くと、様々な事業やサービスに影響が出るのではないか?(→連携して対策を講じていきたい旨、答弁あり)
    • 今後、雇用対策を行うにあたっては、他省庁との連携も含め、きめ細かく立案・実行していくことが必要とまとめ。

 

2)非正規雇用労働者の正社員化促進に向けた施策について

    • 安倍政権になって正規雇用が減少し、非正規雇用が大幅に増加している中で、正社員化促進に向けた取り組みが必要であるというのは安倍総理も塩崎厚労大臣も認めてきた。ではどのような具体的施策が来年度予算案で提案されているのか?(→キャリアアップ助成金やトライアル雇用事業に言及あり。でも実績が悪いことには触れず・・・)
    • キャリアアップ助成金やトライアル雇用事業は、今年度の実績を見ても予算の執行率が低位に留まっていて、正社員化が実現した実績も、全体の非正規雇用の増加と比較すれば圧倒的に少ないが、来年度、厚生労働大臣としてどれぐらいの正社員化を果たすべく指示を出しているのか?(→特に目標を設定していないことが判明。何をしているのやら・・・)
    • 正社員化の促進に向けた塩崎大臣としての決意を聞きたかったが、役所の用意した答弁書を読み上げるだけで政治家としての思いを聞けなかったのが残念であるとまとめ。

 

3)労働移動支援助成金について

    • 労働移動支援助成金については、昨年から大幅に増額され、私も「リストラ助成金ではないか?」と追及してきたところだが、3月25日の内閣府「規制改革会議」で、この労働移動支援助成金について、助成金の対象範囲を在職中からの転職支援にも活用できるように提案が出されていて驚いた。その意図を確認したいがどうか?(→内閣府よりあまり意味の分からない答弁・・・)
    • よもや、企業が国民の税金を使って、まだ自社の戦力として養成・育成すべき社員を人材ビジネス会社に預けて、離職や転職を前提に訓練を積ませるような意図ではないと思うが、確認して欲しい。(→これまた内閣府より、はっきりしない答弁・・・)
    • 塩崎大臣には、労働者の安心と安全を守り抜く覚悟で、規制改革会議がとんでもない議論を進めないよう、しっかり注視して釘をさし続けて欲しいとまとめ。

 

4)都道府県労働局の専門官職や労働基準監督署体制の強化について

    • 都道府県の労働局や労働基準監督署の専門職の人員体制について、今、労働行政を円滑かつ十分に回していく上で十分な体制が確保できていると判断しているか?(→塩崎大臣、意味不明の答弁・・・)
    • 例えば、労働契約専門官や非正規雇用対策担当官、育児・介護休業指導官、短時間労働指導官など、地方の雇用にとって大変重要と思われる専門職が、県によってはゼロ=配置なしというところが散見されるが、これで地方労働行政の遂行は問題ないのか?(→兼務体制をとっているので、担当がいないわけではないという答弁)
    • 労働基準監督体制については来年度でどれぐらいの増員を図る予定か?(→12名の増員予定とのこと)
    • 今後、体制強化について厚生労働大臣としてしっかりと状況をみながら対策を講じて欲しいとまとめ。

 

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以上、30分の質疑時間の中で盛りだくさんの内容でしたが、今回は塩崎厚生労働大臣に、しっかりと労働行政の遂行に邁進して欲しいという要望も込めて、質疑をさせていただきました。来週の火曜日に、また厚生労働委員会の一般質疑で質問に立つ予定(次回は50分間)ですので、今度は労働者保護ルール改悪の問題も含めて追及をしていきたいと思います。

民主党「厚生労働部門会議」に出席〜労働時間規制の緩和問題について議論しました

3月19日(木)の朝8時より民主党「厚生労働部門会議」が開催されました。主な議題は、①裁量労働制の見直しや残業代ゼロ制度(労働基準法改正案)の検討状況、②医療保険制度の見直しについてで、厚生労働省や連合からのヒアリングを受けたあと、議員間で議論を行いました。

 

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裁量労働制の拡大に伴う議論では、私から厚生労働省に対し、裁量労働制における労働時間の実態調査について質問。厚生労働省が行った調査は、使用者側への調査を行ったもので、労働者側への調査は行っていないことを確認しました。つまり、実際の労働時間からはかなり少なめに結果が出てしまう懸念があるわけです。

それでも1日18時間超えの裁量労働制労働者が、専門業務型で8.5%、企画業務型で3.1%もいるという結果で、裁量労働制での長時間勤務の実態が浮き彫りとなりました。裁量労働制を採用している企業の約4割で、労働時間を適切に把握していないという調査結果もあるため、実態はもっと厳しいかも知れません。

また、裁量労働制適応労働者の脳・心臓疾患や精神障害といった労災に関わる件数も、きちんと把握されていない実態も分かりました。労働時間が把握されていない事業場が多いわけですから、過重労働起因で何か起こっても、労災申請すら困難なわけですね。

今回の労働時間規制の見直しについては、残業代ゼロ法案または過労死促進法案または定額働かせ放題法案と呼ばれるべき「高度プロフェッショナル労働制」に注目が集まりがちですが、短期的にはこの裁量労働制の拡大の方が悪影響が強いのではないかと危惧しています。何せ、ある種の営業職にも適用が拡大されるのですが、定義の仕方次第では、数百万人規模の営業職労働者に裁量労働制が適用できるようになってしまうからですね。要注意です!

なお、医療保険制度の見直しについては、患者申出医療の創設、健康保険の標準報酬月額の上限額の引き上げについてを議論しましたが、こちらも問題多し・・・。ふぅ〜、安倍政権はいったい労働者を何だと思っているのか・・・(-.-#)

運輸労連政策推進議員懇談会学習会

本日昼は、運輸労連政策推進議員懇談会学習会に参加しました。

SA・PAにおけるトラックの駐車の課題の取組経過について、また物流分野における労働力不足対策についてビアリング、意見交換いたしました。

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赤松会長の挨拶

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運輸労連 山浦中央執行委員長の挨拶

超党派「ILO活動推進議員連盟」2015年度第1回勉強会を開催!

3月3日(火曜日)の朝8時より、超党派の国会議員で構成する「ILO活動推進議員連盟」の今年度第1回目の勉強会を開催しました。

 

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今回は、今年の1月から新たに国際労働機関(ILO)アジア太平洋地域総局長に就任された西本伴子氏と、12月まで総局長として奮闘された前任の浦元義照氏をお招きし、アジア太平洋地域におけるILO活動の現状と課題、今年の重点事項等についてお話しをいただき、全体で意見交換を行いました。

西本総局長からは、(1)アジア太平洋地域総局は、ILO加盟34か国、人口にして37億人をカバーするILOでも最大地域を所管する組織であって、その役割は非常に大きいこと、(2)経済成長はめざましいが、ILO条約の批准率が低く、その批准と適切な適用促進が必要であること、(3)とりわけ、移民問題や子ども・ジェンダーといった基本的人権にかかわる問題の改善、質の高い雇用(ディーセントワーク)の確保、労使関係の育成等が重要課題であり、ILOとしてそのための技術協力の強化に努めているとの説明がありました。

 

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ちなみに西本総局長は、長年にわたって国連の専門機関で活躍されてきた方で、人間・社会開発にかかわる分野で幅広い活動をされてきています。ご本人も、決意表明の中で、「これまで培ってきた経験を総合的に活かしていく、ベストな役割を与えて頂いたと思う。国際労働基準の促進やディーセントワークの実現によるILOのミッションの達成に向けて頑張りたいと」述べておられました。今後のご活躍を応援したいと思います。

また、浦元前総局長からは、約2年にわたる総局長としての活動を踏まえ、(1)アジア太平洋地域は世界のGDPの6割を占めており、とりわけ本年のASEAN経済統合が実現すると6億人規模の市場が誕生することになること、(2)これまでは、安価な労働力と輸出に依存したモデルで経済成長を遂げてきたが、今後、持続可能な経済成長モデルに移行するためには、安定した雇用と良好な労使関係の構築、労働条件の改善と購買力向上に基づく新しい成長モデルが必要で、そのための環境整備や労働者に対する技術訓練等についてILOとしても積極的に支援していく必要があること、等についてお話しをいただきました。

質疑・意見交換では、出席議員からさまざまな質問やコメントが出されたのですが、とりわけ、ILOへの日本人役職員を増やすことの重要性や、そのための具体的な方策について活発なやりとりが交わされました。現状、ILOで活躍する日本人役職員は30人台にとどまっています。拠出金の規模・割合から言えば2倍から3倍の数がいてもよく、この間にも日本人の採用増に向けた努力も行われてきたのですが、残念ながら成果につながっていません。若手職員の増加も課題なのですが、幹部クラスの増員も必要です。例えば現在、幹部レベル(D2、D1)には数人しかおらず、D2は一人もいない状況です。

 

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質疑の中では、公務員の国際機関への出向期間の延長(現行は3年)や、いつでも公務員として戻ってこられる仕組み、年金等を通算して持ち歩けるようにする制度改善、子どものころから人権教育や援助教育を行って海外に関心を持ってもらう必要性、一定数の幹部ポストを国としても戦略的に獲得していく方針の確立、労使も積極的に人材を輩出する協力を行っていく必要性など、具体的な提案が出されました。この点、今後、議連としても積極的に応援していきたいと考えています。