4月7日(火)に5時間コースで開催された参議院厚生労働委員会は、平成27年度予算案のうち、厚生労働省所管部分の予算に関する委嘱審査。前日の参議院ODA特別委員会に続いて、私が民主党会派を代表して質問に立ち、塩崎厚生労働大臣に対して30分間の質疑を行いました。

 

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今回の質問で取り上げた事項とポイントは、主に以下のとおりです:

1)雇用のミスマッチが顕著な職種とその解消に向けた施策について

    • 有効求人倍率が恒常的に概ね2倍程度以上あるのに、充足率や就職率が中長期にわたって低水準にとどまっている、または悪化している業種や職種についての認識は?(→医療・介護、建設、保安分野などに言及あり)
    • そのようなミスマッチの激しい業種・分野への雇用対策が来年度予算要求の中でどうなっているか?(→あまり具体的な説明なし)
    • 例えば、保安の職業は、2014年度で4.73倍の有効求人倍率があるのに、充足率は対有効で4.7%にとどまっている(つまり100人の求人に対して5人しか満たされない)が、保安の分野で人材不足が続くと、様々な事業やサービスに影響が出るのではないか?(→連携して対策を講じていきたい旨、答弁あり)
    • 今後、雇用対策を行うにあたっては、他省庁との連携も含め、きめ細かく立案・実行していくことが必要とまとめ。

 

2)非正規雇用労働者の正社員化促進に向けた施策について

    • 安倍政権になって正規雇用が減少し、非正規雇用が大幅に増加している中で、正社員化促進に向けた取り組みが必要であるというのは安倍総理も塩崎厚労大臣も認めてきた。ではどのような具体的施策が来年度予算案で提案されているのか?(→キャリアアップ助成金やトライアル雇用事業に言及あり。でも実績が悪いことには触れず・・・)
    • キャリアアップ助成金やトライアル雇用事業は、今年度の実績を見ても予算の執行率が低位に留まっていて、正社員化が実現した実績も、全体の非正規雇用の増加と比較すれば圧倒的に少ないが、来年度、厚生労働大臣としてどれぐらいの正社員化を果たすべく指示を出しているのか?(→特に目標を設定していないことが判明。何をしているのやら・・・)
    • 正社員化の促進に向けた塩崎大臣としての決意を聞きたかったが、役所の用意した答弁書を読み上げるだけで政治家としての思いを聞けなかったのが残念であるとまとめ。

 

3)労働移動支援助成金について

    • 労働移動支援助成金については、昨年から大幅に増額され、私も「リストラ助成金ではないか?」と追及してきたところだが、3月25日の内閣府「規制改革会議」で、この労働移動支援助成金について、助成金の対象範囲を在職中からの転職支援にも活用できるように提案が出されていて驚いた。その意図を確認したいがどうか?(→内閣府よりあまり意味の分からない答弁・・・)
    • よもや、企業が国民の税金を使って、まだ自社の戦力として養成・育成すべき社員を人材ビジネス会社に預けて、離職や転職を前提に訓練を積ませるような意図ではないと思うが、確認して欲しい。(→これまた内閣府より、はっきりしない答弁・・・)
    • 塩崎大臣には、労働者の安心と安全を守り抜く覚悟で、規制改革会議がとんでもない議論を進めないよう、しっかり注視して釘をさし続けて欲しいとまとめ。

 

4)都道府県労働局の専門官職や労働基準監督署体制の強化について

    • 都道府県の労働局や労働基準監督署の専門職の人員体制について、今、労働行政を円滑かつ十分に回していく上で十分な体制が確保できていると判断しているか?(→塩崎大臣、意味不明の答弁・・・)
    • 例えば、労働契約専門官や非正規雇用対策担当官、育児・介護休業指導官、短時間労働指導官など、地方の雇用にとって大変重要と思われる専門職が、県によってはゼロ=配置なしというところが散見されるが、これで地方労働行政の遂行は問題ないのか?(→兼務体制をとっているので、担当がいないわけではないという答弁)
    • 労働基準監督体制については来年度でどれぐらいの増員を図る予定か?(→12名の増員予定とのこと)
    • 今後、体制強化について厚生労働大臣としてしっかりと状況をみながら対策を講じて欲しいとまとめ。

 

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以上、30分の質疑時間の中で盛りだくさんの内容でしたが、今回は塩崎厚生労働大臣に、しっかりと労働行政の遂行に邁進して欲しいという要望も込めて、質疑をさせていただきました。来週の火曜日に、また厚生労働委員会の一般質疑で質問に立つ予定(次回は50分間)ですので、今度は労働者保護ルール改悪の問題も含めて追及をしていきたいと思います。