今日(7月4日)、来日中のヤン・ニーセン博士と民主党「多文化共生議連」役員との意見交換を行いました。テーマは「移民統合政策」です。

欧州では、2000年代以降、「移民統合」が各国の主要な政策課題となったため、その分析を行うための様々な指標が開発されてきたとのこと。その中で、二つの重要な指標があって、一つが「統合政策(法制度レベルでいかに移民統合が進展・確保されているか)」に関する指標として開発された『MIPEX』、もう一つが、統合政策の成果(実態としてどの程度、移民統合が進展・確保されているか)を計るためにEUとOECDがそれぞれ開発してきた「成果指標」です。

これらの指標を用いることで、各国において、国外からの移民がどれだけ、社会的・経済的・政治的な統合(差別解消)を確保されているかを計り、国際比較を行い、自国の政策の再検討・改善を図ることができるというわけです。 また、MIPEXと成果指標とのギャップを分析することで、政策と現実との乖離をあぶり出し、その解決策を検討することも可能とのことです。

今日、お話しを伺ったニーセン博士は、欧州のMigration Policy Group (MPG)の所長さん。MPGは、欧州を代表する移民政策のシンクタンク(ブリュッセル)だそうで、MIPEXを開発したのがこのMPGです。今日、ニーセン教授に同行していただいた明治大学の山脇教授らが、このMIPEXを使って日本の移民統合の状況についても分析をされていますが、現状、かなりお寒い結果。

まさにこの辺が、私たち多文化共生議連で問題意識を持って議論をしていく課題なので、今日はいい意見交換となりました。なお、英語のサイトですが、MIPEXについてはこちらに詳細が説明されていますのでご参照下さい。