今日、民主党「福島復興推進会議」が院内で開催され、私もメンバーの一人として出席してきました。

メディアでも報道されていた通り、昨年11月8日に、与党である自民党・公明党が「原子力事故災害からの復興加速化に向けて」という提言をとりまとめています。柱は5点。(1)新しい生活の支援と健康管理・健康不安対策、(2)原子力損害賠償、(3)除染・中間貯蔵施設の加速、(4)廃炉・汚染水対策、(5)国民の理解、です。

この提言を踏まえて、その後、政府内でその具体化に向けた検討と事業提案が進められていて、今日はその進捗状況と内容について報告を受け、党としての協議を行ったわけです。

冒頭、挨拶に立った大畠幹事長や増子本部長は、「段々と福島の問題、原発事故収束の問題が国民の意識から薄れてきている感じがする。決して風化させることなく、あらためて与野党挙げて課題解決に向けた施策と取り組みを強化して、福島の復興と再生を早期に実現していく必要がある」ことを強調。「政府・与党提案の良いところは我々としても積極的に応援し、オールジャパンで取り組んで行くし、ダメなところ、不十分なところは修正を要求・提案し、福島の皆さんのためによりよい政策・制度の実現を図っていく」と民主党としての決意を述べられました。

その後、政府側から説明を受けた具体的施策には:

  • 長期避難者の生活拠点整備、福島への定住支援、避難指示解除地域への帰還支援などのための「福島再生加速化交付金(H26年度予算案1,088億円、H25年補正予算案512億円)」の創設(既存のコミュニティ復活交付金の拡充)
  • 廃炉・汚染水問題に関する予防的・重層的な追加対策として、「汚染源を取り除く」「汚染源に水を近づけない」「汚染水を漏らさない」それぞれの領域での対策強化
  • 損害賠償に関する「中間指針第四次追補(避難指示の長期化等に係る損害について)」について、「精神的損害」「住居確保に係る損害」「避難指示解除後の相当期間(1年間を当面の目安とすること)」の内容

などが含まれていたのですが、すでに具体化が図られている施策もあれば、昨年秋段階からあまり進捗していない(検討中、地元と相談中などの)部分もあったりで、加速化に向けてもっと突っ込んだ取り組みが必要なのではないかという印象でした。

また、説明を聞いていて、個人的に「大事なポイントが抜け落ちている」という印象が拭えませんでした。それは何かと言うと、「担い手」の視点です。

福島の復興加速のため、街づくりやインフラ整備の推進、除染そして汚染水対策などについて追加的な施策を打っていくのは必要なことですが、全ての施策を実施していく上で必要なのは財政措置だけではありません。むしろ、その施策を実施するための「人」=「担い手」が必要であって、その人員的な確保と、適切な処遇や安全対策の確保がなければならないはずなのです。

その話が全くなかったわけです。

私が特に心配しているのが、とりわけ第一原発のサイトにおける汚染水対策と、4号炉の使用済み燃料の移設、さらには廃炉に向けた作業の実施において、いかに長期的に必要な人材を確保していくのかという問題です。全国的な公共工事の活発化で、作業員の確保が難しくなってきているという話も聞こえて来ています。今後、現在停止中の原発の再稼働が行われるようであれば、スキルや経験を持った作業員の確保がさらに難しくなることも想定されます。

今日の説明を受けて、今後、民主党としての中間提言をとりまとめ、2月8日と9日に予定されている民主党大会(郡山で開催)で議論することになっています。ぜひその中では、この「担い手確保」の問題も取り上げ、政府もきちんとその役割を担っていくことを求めていきたいと思っています。