第5回 「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」 (傍聴報告)

12月16日(水)午前に、標記会議が開催され、今までの議論をふまえ、総務省より取りまとめ(案)が説明されました。

主なポイントは以下のとおりです。 検討課題① 利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系

(1)スマートフォンの更なる普及を図るため、対象年齢や機種を限定して提供されている5,000円以下のライトユーザ向けプランの価格帯も参考に、年齢や機種を限定せずライトユーザも利用しやすいスマートフォンの料金プランの提供を検討すべき

(2)高額な端末購入補助に伴う利用者間の不公平の是正のため、端末購入補助を受けないスマートフォンの長期利用者等の負担の軽減になるような料金プラン等の提供を検討すべき

(3)(1)(2)を実現する負担を軽減するための多様な料金プラン等の内容は事業者に委ねるべきである

(4)事業者の提供する料金プランの等が利用者の利用実態に合致し、不公平の是正となるものであるかについて、総務省において事業者に報告を求めて、事後的に検証すべき

検討課題② 端末価格からサービス・料金を中心とした競争の転換

(1)スマートフォンを「実質0円」にするような高額な端末購入補助は著しく不公平であり、MVNOの参入を阻害するおそれがあるため、不公平を是正する方向で補助を適正化する一方、端末購入補助を受けない利用者の通信料金の負担の軽減に取り組むべき

(2)行き過ぎた端末購入補助の適正化については、例えば、MNPをして端末購入する者と新規契約・機種変更する者との間で著しい差があることや、料金プランによらずに一定額の端末購入補助になっていること等を見直すことが考えられる

(3)発売から期間が経過した「型落ち端末」などについて、端末購入補助の適正化の取組の対象とすることは、端末の流通に与える影響が大きいと考えられるため、その扱いについて配慮すべき

(4)端末購入補助の見直しについては、事業者間のカルテルや再販価格拘束を誘発しないよう留意しつつ、総務省においてガイドラインの策定を検討すべき

(5)端末購入補助の見直しについて実効性を確保するためにも、総務省が事業者の取組を検証できるよう必要な措置を検討すべき

(6)利用者がニーズに合わせて通信サービスと端末を自由に組み合わせて利用できるようにするため、2年間の期間拘束契約の見直しやSIMロック解除の着実な実施などによる、利用者の囲い込み施策に見直しを引き続き促していくべき

(7)端末購入を条件とした通信サービスの料金割引や通信サービスを解約した際の端末に関する負担について、利用者が理解して契約できるよう総務省においてルールの整備などをすべき

検討課題③ MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進

(1)接続料については、改正電気通信事業法に基づき、その算定方法等を定める省令・ガイドラインの整備を着実に進め、引き続き適正性・透明性の向上を図るべき

(2)MVNOサービスの多様化を可能とする加入者管理機能について、ガイドライン上「開放を促進すべき機能」と位置づけることによって、事業者間の協議を加速すべき

(3)MVNOと携帯電話事業者の顧客管理システムのオンライン連携について、早期の実現を促すべき

(4)MVNOの更なる普及を図るためには、MVNO自身が大手携帯電話事業者との差別化を図りつつ、より多くの利用者から選ばれるような戦略をとっていくことが望まれる

(5)利用者の選択肢をさらに拡大する観点から、行き過ぎた端末購入補助の適正化と相まって、中古の端末市場の発展が望まれる

上記、取りまとめ(案)について、メンバーからは、検討した結果が大事でどれくらい料金が安くなったのか国会に報告するような制度を作っていただきたい。この取りまとめ(案)は大きな方向性を示しただけで、実効性をもつかはまだまだこれから、特に「型おち端末」をどうしていくのか、補助をすぐにやめると在庫の山になってしまうが、段階的に進めることは可能なはず。いずれにしても通信事業者と総務省のダブルチェックが必要になってくる。公正な競争でなくなると、消費者の適正な判断をゆがめ、過大な給付は資本力で競争が決まってしまうことになるので、是正は必要。ただし、販売奨励金に上限値とか何らかの数値の目安を示していくことは難しい。新製品をどう販売していくのかは個々の事業者のマーケティングそのもの。中古市場は是非作り上げてほしい。様々な問題は、本当の価格がわからないことから出てきている。料金の透明性がかぎで、ガイドラインに生かしてほしい等活発な意見が出されました。

最後に新美座長の方から、この取りまとめ(案)は、公正な競争の外枠を示したもの。具体的に何をするかは、通信事業者自らが公正なものを提案し、消費者と緊張関係のなかで構築していくべきもの。親会への宿題はたくさんあるが、現時点でのこのタスクフォースの取りまとめとしたいとの発言があり、承認されました。

高市総務大臣からは、タスクフォースのこれまでのご努力への感謝と実効性が大事なので、速やかに政府としての対応方針を策定する。生活インフラとしてのスマートフォンをより多くの人に安心して使って頂けるよう競争の質を変えていきたいと挨拶があり、閉会となりました。 (報告者 田中秘書)  

民主党 非正規雇用・ワーキングプア対策チーム 役員会 (代理出席報告)

共生社会づくりを目指して、民主党外の団体との連携や地域での活動を推進するために、「非正規雇用・ワーキングプア対策チーム」を、民主党の共生社会創造本部内に設置することになり、1回目の役員会が、12月10日(木)午前に開催されました。

このチームの座長に、西村智奈美 衆議院議員が就任し、石橋議員は幹事として活動していくことになりました。

続いて、厚生労働省より、自立相談支援事業の実施状況と本制度に関連する来年度予算について、ヒアリングを行いました。この事業の地方自治体の財政負担額が4分の1もあることで、自治体間で差が出てしまっていることや、生活困窮者から保険証をまず取り上げてしまう厚労省の保険局に対してこの制度を所管している同じ省の 社会・援護局として運用の改善を求めるべきではないか、明確な数値目標を作るべきではないか等様々な指摘が出されました。

最後に、このチームの今後の取組について、参院選に向けて「共生社会の創造」を訴え、各地域の活動団体との連携を通じて、女性・若者・非正規雇用者等の声を政治に反映するために、大きく以下の5項目の活動を具体的に展開していくことになりました。

1)共生社会創造本部・全国意見交換会&地方視察を2月から11ブロック各1か所をめどに実施する

2)運動体として、各県連に「共生社会推進本部」を設置し、共生社会推進に関わる企画を実施し、本部として必要な支援を行う

3)生活困窮者自立支援事業の実施にむけた地方議会質疑を推進するために、資料・記録の提供や情報交換のためのフェイスブック等を活用する

4)奨学金制度改善の取組として、中央労働者福祉協議会の全国署名運動への協力や地方議会での奨学金制度改善の質疑・意見書採択を推進する

5)地域における連合・労福協・フードバンク・NPOなど女性・若者・子ども・非正規・生活困窮者支援等に関わる諸団体との交流を促進する

以上 (報告者 田中秘書)  

 

民主党 税制調査会 総会 (代理出席報告) 

12月8日(火)午前に、標記会議が開催され、「平成28年度税制改正にかかる基本方針(案)」について議論され、格差是正の観点からの税制改革が必要だとした民主党の来年度税制改革案が了承されました。その後、夕刻のNC(民主党次の内閣)で承認され、9日(水)午前に、財務省事務次官に対し申し入れを行いました。

詳しい内容は、下記をご参照ください。

 平成28年度税制改正にかかる基本方針

平成28年度租税特別措置等について

石橋議員が、導入を求めてきました国際連帯税についても、「平成28年度租税特別措置等について」の6頁の21番目の項目に、下記のように取り入れていただきました。

国際協力を使徒とする資金を調達するための税制度の新設(国際貢献税) 「持続可能な開発のための2030アジェンダ」等にも示されている世界の開発需要に貢献するため、納税者の理解と協力を得つつ、国際連帯税(国際貢献税)についての検討を進め、国際的な取り引きに関する課税などに関連して必要な措置を講ずること。

政府の税制改革大綱にも、国際連帯税が盛り込まれるよう、与党に引き続き働きかけてまいります。  (報告者 田中秘書)  

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馳 文部科学大臣へ超党派「非正規雇用対策議連」として提言申し入れ  (事務局報告)

12月7日(月)午後、石橋議員が事務局長をつとめる超党派「非正規雇用対策議連」の尾辻会長ほかメンバー衆参国会議員12名で、馳 浩 文部科学大臣に対して、「平成28年度予算概算要求及び税制改正要望に向けた緊急提言」の申し入れを行いました。

この提言は、8月6日に塩崎厚生労働大臣に対して申し入れた内容と同じものですが、10月の当議連第4回総会の場で、出席議員から非正規雇用労働者に対する支援策を拡充・新設する項目の中で、「給付型奨学金の創設及び無利子型奨学金の拡充」は緊急性が高いので、議連として直接 制度を所管する馳 文科大臣にも申し入れを行うべきとの意見が多く出されたため、本日 実現したものです。

馳 大臣の方からは、「学卒全員正社員就職の実現」という議連の問題認識は、私も共有できるので、この提言に書かれている非正規雇用労働者でかつ奨学金返済困窮者に対する緊急支援策、具体的には①奨学金利子の減免措置 ②返済の充当順位の変更(元本優先返済) ③所得連動型返済への切り替え に関してまずは取り組んでいきたい。そのうえで、給付型奨学金の創設および無利子型奨学金の拡充について財務省とも協議しながら制度の検討を深めていきたいとのことでした。

当議連としても、引き続きこの問題についてフォローしていくことになりました。  (報告者 田中秘書)    

 

民主党 厚生労働部門会議 (代理出席報告)

12月3日(木)午前、標記会議が開催され、安倍政権が掲げた「一億総活躍」の緊急対策のうち厚生労働分野に関わる以下の3項目について、政府からヒアリングを行いました。

(1)子育て

「希望出生率1.8」に直結する緊急対策として、保育士の人材確保があげられていて、たとえば小学校の教諭免許を持っていて休職中の人などの活用を加藤担当大臣は発言しているが、具体的に文科省と調整を行っているのか質問が出ましたが、あくまで採用を可能にする措置なので調整はしていないとの答えでした。

また、処遇改善加算の対象は保育士に限定されるのか質問したところ、園全体での支給になるので、事務員など保育士以外にも適用は可能とのこと。

働き方改革をうたっているが、国会にすでに提出されている「労働基準法改正案」には、裁量労働制の追加が盛り込まれていて、時間で区切られた方が子育てしやすいのではないか、むしろ長時間労働の規制こそ緊急に措置すべきとの指摘が相次ぎました。

(2)最低賃金

「2020年頃に、最低賃金1,000円を目指す」とあるが、民主党政権下では6.2%最低賃金を上げてきたが、安倍政権になってからは1.6%しか増えていない。どうやって中小企業などの反対を抑えて実現させるのか等いくつか質問が出されましたが、従来どおり審議会で十分検討していただくとの答弁。結局、GDP600兆円が前提の絵に描いた餅であることがはっきりしました。

(3)介護

「介護離職ゼロ」に向けて、介護施設約12万人分を前倒し・上乗せして、約50万人分以上に拡大するとあるが、総理の指示を受けてから公表するまでたった1日しか時間をかけていないことが判明し、2024年には実現することになっていた50万人の数字を前倒ししただけで、上乗せするような検討は行われていないのではないかとの厳しい指摘に、今回の緊急対策と併せて実態調査を市町村レベルで行うので、第7期以降の介護保険事業計画に反映されていくとの答え。数字ありきであることを事実上認めた形となりました。

以上、3項目とも、見映えのする数字を安倍政権は並べただけで、内容の検討がともなっていないことがはっきりしたヒアリングとなりました。

(報告者 田中秘書)

民主党 漏れた年金情報調査対策本部会議  (代理出席報告)

11月30日(月)夕刻、標記会議が開催され、年金積立金の今年度7月から9月の運用実績について厚生労働省から説明を受けました。

今年8月から9月にかけての世界同時株安の影響により、収益率がマイナス5.6%・収益額でマイナス7.9兆円となりました。この数字は、リーマンショック後3ヶ月で5.7兆円の損失を出した時を上回り、史上最大の下げ幅です。

従来よりも、GPIF( 年金積立金管理運用 独立行政法人)が年金積立金の株式運用の比率を上げたことのリスクが早くも顕在化したことについて、「確かに短期的なブレ幅は拡大したが、年金財政上必要な年金積立金の確保は、今までの国債中心で運用するよりもリスクはむしろ低くなっている」との厚生労働省の回答に対して、年金積立金は国民の大切な財産であり、政府のものではない。国民は短期的でもこのような不安定な運用を望んでいない。塩崎大臣が車の両輪と言ってきたGPIFのガバナンス改革はどうなったのか?臨時国会を開いて、国民に対してしっかりと説明責任を果たすべきとの厳しい指摘が相次ぎました。

また、来年4月から年金のマクロ経済スライドは発動されるのか厚生労働省に質問したところ、来年1月29日(金)に総務省から公表される平成27年全国消費者物価指数を踏まえ、最終決定されるとの回答でした。基本的に物価(平成27年全国消費者物価指数)と賃金(名目手取り賃金変動率)の指数がともにプラスとなれば発動される仕組みですので、物価は10月までプラス0.9%で推移してきており、このままの状況が続けば発動の可能性は高くなります。このことについても対策本部として注視していくことになりました。 (報告者 田中秘書)      

総務省「第4回 携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」 (傍聴報告)

11月26日(木)夕刻に、総務省講堂において標記会議が開催されました。

最初に総務省の方から、諸外国の携帯電話端末の実質負担額について比較表の説明がありました。詳しくは、配付資料 諸外国の端末の実質負担額 をご参照ください。

続いて、総務省より韓国で昨年10月から施行されている携帯電話端末の販売規制法の内容と効果について説明がありました。詳しくは、配付資料 韓国「移動通信端末装置流通構造改善に関する法律」の施行後の状況 をご参照ください。

そのうえで、今までのこのタスクフォースでの議論を踏まえて、総務省から以下のような「携帯電話の料金その他の提供条件」に関する3つの検討課題に対する論点の 提示がありました。

検討課題① 利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系

・大手携帯電話事業者の現在のスマートフォン向けの料金は、ライトユーザにとって割高なものとなっていないか。

・スマートフォンのライトユーザ向けプランは年齢層や対象機種が限定されているが、スマートフォンのライトユーザ向けの料金プランの在り方について、どう考えるか。

・IoT時代に向けた国民の生活インフラとしてスマートフォンを普及させるため、どのような料金 プランが必要か。

検討課題② 端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換

・端末を購入した者が、端末を購入しない者よりも低い負担となる場合もある端末購入補助の現状は、日本独自のものであり、端末を買い換えない長期利用者や、端末を購入せずに通信サービス契約だけを行う利用者にとって、著しく不公平なものとなっているのではないか。

・端末購入補助について、大手携帯電話事業者において行き過ぎは是正すべきとの認識が共有されている。一方、事業者間の競争がある中、その適正化を実現するため、事業者団体による取組、行政からの働きかけによる取組について、どう考えるか。また、その際に、価格 カルテルや再販売価格の拘束との関係について、どう考えるか。

・端末購入補助の行き過ぎの是正により、MNPによる顧客獲得競争が弱まるおそれがある ことについて、どう考えるか。

・発売から期間が経過した「型落ち端末」に対する端末購入補助について、どう考えるか。 ・端末の価格や通信サービス契約を解約した際の負担について、利用者が理解して契約できるような方策について、どう考えるか。

検討課題③  MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進

・MVNOの費用の相当部分を占める接続料の在り方について、どう考えるか。

・MVNOの様々なサービスの多様化を可能とする加入者管理機能の開放について、どう考えるか。

・新規加入・MNP等の受付処理をワンストップで実行可能とする、MVNOと携帯電話事業者の顧客システムのオンライン連携について、早期の実現を促すべきではないか。

その後、メンバー間で提示された論点についての協議が行われましたが、検討課題①についてはライトユーザ向けに何らかの料金を創設する必要性について、検討課題③については格安スマホを普及推進するための方策を検討していくことでおおむね一致しました。検討課題②については行き過ぎた端末購入補助をどのように適正化していくかについて、事業者団体としての取組となると独占禁止法との関係で困難との意見や事業者それぞれの自主判断でうまくいくのか、行政からの働きかけの実効性をあげるにはどうすればいいのか等さまざまな意見が出されました。

今後、更に上記論点についてメンバー間で議論を深めて取りまとめ作業に入っていくことが確認されました。

最後に高市総務大臣からは、独禁法含めて踏み込んだ議論をして頂いたことへの感謝と、MVNO事業者への加入者管理機能の開放については日本再興戦略にも書かれていることなので事業者間協議の更なる促進を求めていくと述べられ閉会しました。  (報告者 田中秘書)              

民主党 安全保障総合調査会 / 外務・防衛部門 合同会議 (代理出席報告)

11月24日(火)夕刻、標記会議が開催され、安保法制に関する今後の対応について協議され、下記のように決まりました。

1)平和安全法制施行前に、憲法違反である「平和安全法制整備法」と「国際平和支援法」を廃止する法律案を、来年の通常国会に提出する

2)同時に、4月28日にまとめた「安全保障法制に関する民主党の考え方」(ご参照 安全保障法制に関する民主党の考え方 )に基づき、有事でもなく平時でもないグレーゾーン事態対処のための「領域警備法案」(前国会でも提出)、「周辺」の概念を堅持した「周辺事態法改正案」、国連PKO(平和維持)活動における新たなニーズに対応した「国連PKO協力法改正案」などを国会に提出する

3)1月中旬には民主党案を国会に提出できるよう、今後 毎週火曜日の16時に外務・防衛部門 合同会議を定例開催していく

4)パリで起きたIS(過激派組織「イスラム国」)による同時テロ事件に対する対応としては、警察や交通、通信、入国管理等多岐にわたる検討が必要になるので、この会議ではなく何らかのプロジェクトチームを党内に作って検討を深めていくことになりました。また、政府・与党の一部にみられる緊張状態をエスカレーションさせる動きについて一線を画して冷静に問題提起していくことが確認されました。  (報告者 田中秘書)  

民主党 文部科学部門会議  (代理出席報告)

11月19日(木)午前に、文部科学部門会議が開催され、下記の2つの項目についてヒアリングと意見交換を行いました。

前半は、TPP知的財産分野のうち著作権関係について文化庁からヒアリングを行いました。TPP協定における主な著作権関連分野の合意事項は以下の5項目となっています。

1)著作物の保護期間を、今までは著作者の死後50年としていましたが、少なくとも70年までに延長することになります

2)著作権の侵害罪は原則として著作権者等の告訴が前提の親告罪でしたが、海賊版等違法な複製物を刑事罰の対象とするために著作権者の告訴がなくても検察官が公訴を提起できる非親告罪となります

3)著作権の侵害について、権利者を補償するために十分な額を定めた法定の損害賠償の制度を設ける

4)今まで、著作物の違法な複製を防止・抑止するコピーコントロールについては民事・刑事上の措置がありましたが、著作物の利用を管理する放送のスクランブル等アクセスコントロールについても民事上の救済措置及び刑事罰を定める

5)商業用レコードやCDのような有体物の放送・有線放送については2次使用に対する使用料請求権が実演家及びレコード制作者に付与されてますが、インターネット等から直接配信されるような音源を用いた放送・有線放送についても同様の請求権を付与する

出席議員からは、著作権の保護期間を延長することにともない権利者不明のいわゆる孤児著作物の対策をどうするのか、著作権の侵害を非親告罪とすることでパロディー等2次創作活動への影響をどう考えているのか、それぞれの項目の法案提出の時期等さまざまな質問が出されました。とりわけ著作権侵害の非親告罪化の問題については、各界からも心配する声が多く、文化庁は市場における競合関係にあるかどうかで判断するので問題ないとの説明でしたが、国会の審議等でより明確化していく必要がありそうです。

後半は、奨学金制度の改善について、労働者福祉協議会よりヒアリングを行いました。

「給付型奨学金制度の導入・拡充と教育費負担の軽減を求める」署名活動の報告と「給付型奨学金制度の早期創設、所得連動返済型の奨学金制度の創設、無利子奨学金の充実などを求める」地方議会意見書採択への協力要請を受けました。

①かつて2割程度だった奨学金利用者は年々増加し、今や177万人となり大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用

②ところが、日本の奨学金の約9割は貸与型で、その多くが利息のつく「奨学金」という名のローンになってしまっています

③OECD加盟34か国のうち、大学の授業料が有償で、国による給付型奨学金制度がないのは、日本だけ

④就職しても派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用につく大卒者が増加し、延滞者の8割が年収300万円以下

⑤延滞者には年利5%の延滞金が課されるため、一生奨学金返済に追われ結婚の妨げになったり、出産や子育てなどへの影響も懸念される

⑥日本学生機構が独立行政法人になったことで、公的な奨学金の回収が効率化の名の下に、民間の債権回収業者へ業務委託されてしまい金融事業化してしまっている

今の若者の深刻な状況に、出席議員からも労働者福祉協議会の活動内容に賛同の声が多く上がり、来年の参議院選挙における民主党の公約の大きな柱にしていくことを確認し閉会しました。

(報告者 田中秘書)

 

民主党 厚生労働部門会議 (代理出席報告)

11月18日(水)午前に、民主党の厚生労働部門会議が開催されました。本日は、まず子どもの貧困対策センター「一般財団法人あすのば」より、子どもの貧困対策に関する最重点要望項目のヒアリングを行いました。

ひとり親世帯の貧困率は、厚生労働省の調査によれば54.6%に達しており、①児童扶養手当の増額、とりわけ2人目以上の子どもへの加算の増額 ②児童扶養手当や遺族年金などの子どもへの支給を高校卒業時から20歳まで延長 ③高校生の「奨学給付金」は非課税世帯の第1子も月1万円に増額 と、いずれも切実な要望ばかりでした。

とりわけ、学生理事からの「18歳で支給が打ち切られると、まるで大学なんか行かずに働けばいいと言われているように聞こえる。若者が大学をあきらめるような社会はおかしい」との指摘は重たいものがありました。

山井座長からは、①多子の世帯の貧困が深刻であること②ひとり親世帯の大学進学率は2割で全体に比べて半分以下③18、19歳の貧困率が最も高いことから、児童扶養手当・遺族基礎年金等の支給対象に20歳未満の学生等を追加し、児童扶養手当の多子加算額の増額を盛り込んだ「児童扶養手当法等の一部を改正する法律案」を民主党の議員立法として登録し、通常国会に法案提出して一億総活躍社会というならこの法案を成立させるよう安倍総理に強く求めていきたいとの提案があり、部門会議として了承されました。

続いて、マタニティーハラスメント(マタハラ)に関する実態調査の結果について厚生労働省より説明を受けました。すでに新聞等でも大きく報道されていますが、妊娠等を理由とする不利益取り扱いの経験をした割合が派遣労働者の方で48.7%と、正社員の経験率21.8%の2倍以上となっていることなどが判明しました。

この調査結果を厚生労働省は重く受け止め、何ができるか対策を検討していくとの説明でしたが、出席議員からは、派遣という働き方に何らかの制限を設けていかざるをえないのではないかとか裁量労働制の拡大が入ってしまっている労働基準法改正案をまずは取り下げて、この問題の対策を早急に行うべき等の厳しい指摘が相次ぎました。  (報告者 田中秘書)