なんだか最近、毎週のように質問をしてますが・・・。4月20日(月)も、私が理事を務めている参議院決算委員会で、平成25年度決算の4回目の省庁別審査(外務省・防衛省・JICA(国際協力機構))が開催され、会派を代表して35分間、政府開発援助(ODA)決算について外務大臣、JICA理事長に対して質問を行いました。

 

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今回の質問の主な項目は以下のとおりです。

1)ODA実績の低下について

平成25年度における我が国ODA実績額の対GNI(国民総所得)比の数値が0.23、平成26年度の暫定値が0.19と、OECD(経済協力開発機構)の目標である対GNI比0.7からほど遠くなっている現状について、岸田外務大臣の認識を質しました。残念ながら0.7%の達成に向けて努力していきたいと答えるだけで、具体的なプランを聞くことは出来ませんでした。

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2)「国連開発資金会議」での工程表について

本年7月に、アディスアベバで「国連開発資金会議」が開かれるのですが、今、その準備会合で、全ての先進国に対して2020年までにODAの対GNI比0.7%目標を実現するよう、具体的工程表の策定を2015年の年末までに行うよう求める宣言文が議論されています。これについて、日本政府の立場を確認しました。すると、どうやら日本政府はこの具体的達成期限の設定に後ろ向きのようで、一部の先進国(米国?)と歩調を合わせて宣言文に盛り込むことに反対しているようです。失望しました。

3)新たなODA資金の調達メカニズムについて

だいたい日本政府は、本年9月に策定されるポストMDGsに向けた新たな国連開発目標や、12月に国連気候変動枠組条約の第21回締約国会議(COP21)で決定される地球温暖化対策の新たな国際枠組みの議論に積極的な役割を果たしているはずなのです。でも、そういう場でいい格好をしておきながら、国際開発援助資金の提供には全く後ろ向きというのでは、二枚舌会合と言われても仕方ありません。岸田外務大臣には、国際連帯税の導入など新たな資金調達手段について具体的な結論を出す時期がきているのではないかと質しましたが、「検討していく」という従来の答弁内容を繰り返すだけで、残念ながら全く消極的な答弁に終始しました。

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4)新たな政府開発協力大綱(新大綱)における軍隊・軍人に対する支援について

先のODA特別委員会での質問に触れて、新しい政府開発協力大綱において「軍隊や軍人に対する非軍事的支援」が盛り込まれたことについて政府の見解を質しました。岸田外務大臣は、「これまでのODA大綱(旧大綱)の下でも、他国の軍隊や軍人への非軍事的ODA供与の実績はある。何ら変わるものではない」と答弁していましたが、資料請求すると、過去10年に行われた事例はたったの3例だけ。であれば、今後、この供与事例が増えていくことはないという理解でいいかと外務大臣に質問しましたが、ここも曖昧な答弁に終始。この点は、今後の供与例について国民がしっかり監視できる情報開示を確保していくことが重要なので、繰り返しそのことを要求しておきました。

5)モザンビークのプロサバンナ事業について

そして最後は、モザンビークのプロサバンナ事業について。昨年の決算委員会で、この事業に関して「市民社会との丁寧な対話を行っていく」と田中JICA理事長及び岸田外務大臣から答弁があったことに言及しつつ、今回「ナカラ回廊農業開発マスタープラン」のゼロ・ドラフト(初稿)が出来上がって、現地で公聴会が開催される運びとなったことについて質問。そのゼロ・ドラフトの公表の在り方や、公聴会の周知方法、また参加申し込みの方法等、本当に「丁寧な対話」が行われているのかを確認したかったのですが、正直、全く田中JICA理事長の答弁は不十分と言わざるを得ませんでした。

そもそも、このプロジェクトの一番の当事者であり、対話の主体となるはずの現地農民団体に対して、ゼロ・ドラフトの公表や公聴会の開催について全く相談がなかったことは残念としか言いようがありません。正直なところ、このプロジェクトの先行きに大いなる不安を抱いてしまう質疑になってしまいました。

以上、この日の質疑模様でした!