3月25日(水)の午後、超党派議員で構成する「教育におけるICTの利活用促進をめざす議員連盟」の今年第1回目の勉強会を開催しました。既報の通り、昨年来、超党派議員による勉強会として活動していたものを、先月26日に衣替えして新たに立ち上げた議員連盟で、私が事務局長を務めさせていただいています。

 

★IMG_0159

 

第1回勉強会は、「デジタル教科書の利活用促進に向けた課題」というテーマで議論を行い、多数の議員および有識者アドバイザーの皆さんのご出席をいただきました。

会合では、まず、教科書協会情報化専門委員長の黒川氏から「デジタル教科書の現状と課題」についてご提言いただきました。黒川氏は、教科書を制作している立場から、デジタル教科書の普及の状況や実際の活用シーンのご紹介、また著作権の問題や教科書に実際に採用されるためのスケジュールなどについて具体的にご説明をいただきました。

続いて慶應大学の菊池特任准教授から、「デジタル教科書に関する法制度」についてお話しをいただき、印刷された紙の教科書を前提び規定されている現行の学校教育法や著作権法などの法令についての解説や、デジタル教科書を正規の教科用図書とするための制度改正の具体的なご提案(デジタル教科書法案)などの解説を受けました。

そして最後に文部科学省の担当課より、「デジタル教科書の今後の展開」に関する現在の検討状況について報告を受けましたが、デジタル教科書を教科書にするためにはまだまだ様々な課題をクリアすることが必要で、来年度にこの問題に関する有識者会議を立ち上げ、議論を重ねた上で結論を出していきたいとの説明がありました。

 

IMG_0173

 

出席議員からは、デジタル教科書を導入した場合の想定されるコストや、紙の教科書検定制度との整合性、紙とデジタルの併用の可能性、障がいのある児童生徒へのデジタル教科書の重要性など、活発な質問や意見が出され、有識者アドバイザーを交えた議論も大いに盛り上がりました。

2020年にデジタル教科書の使用を制度化するには、次期学習指導要領の告示がされる2016年度末までにはデジタル教科書の導入が方針化される必要があります。議連としても、今後さらに議論を重ね、必要な法整備や財源についての提言を行っていきたいと思います。