今日の午前中、参議院厚生労働委員会が開催され、「有期雇用特措法案」に関する参考人質疑を行い、私も民主党会派を代表して質疑をさせていただきました。

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議題となった「有期雇用特措法案」、正式な名称は「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案」と言います。皆さんご存じの通り、平成24年に民主党政権下で、「改正労働契約法」を成立させて、有期雇用契約のあり方について重要な規制を設けました。そのうち、第18条が規定したのが「無期転換ルール」。5年を超える有期雇用契約の反復更新で、労働者に無期転換申込権を与えるというルールです。

今回の特措法案は、その5年無期転換ルールに、例外規定を設けるもの。(1)5年超、10年未満の期間限定プロジェクトに雇用される一定年収以上の高度専門職労働者と、(2)定年後に再雇用制度の下で同じ事業主と継続して有期雇用契約を結ぶ高齢労働者という二つのカテゴリーの労働者について、無期転換権を制限するものです。概要はこちらで:「法案の概要(pdf版)

 

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この特措法も、いわゆる労働者保護ルールの改悪の一つです。もちろん、民主党として反対しています。そもそも、H24年改正労働契約法は、昨年4月1日に全面施行になったばかりなのです。しかも、適用対象になるは、法施行後に開始した有期雇用契約ですから、5年無期転換ルールの適用が本格的に始まるのは、4年から5年たってからになるわけです(ただし、例えば3年契約の場合は、2回目の更新ですでに5年を超える契約となるので、その時点で無期転換申込権が発生します)。つまり、まだ実際の無期転換が始まってもいない段階で、すでに例外規定を設けようというのが今回の特措法案なわけです。

さらに!

今回の法案は、そもそもの発端が、昨年秋の臨時国会で成立した「国家戦略特区法」なんです。特区法の附則第2条に、高度専門職労働者の有期雇用契約のあり方について検討し、通常国会への法案提出をめざすと規定されたことで、その後、労働政策審議会でたった6回、審議した結果で、この特措法案が準備をされてしまったんです。民事上の労働契約ルールを定めるとっても大切な労働契約法の規定に、全く関係のない国家戦略特区法で改定の方向性を定めて法案をつくってしまうなんて、労働法制に関する政労使の三者構成主義という観点からも、決して許してはいけない行為なのです。

ということで、今日の参考人質疑、労働側を代表して連合の新谷参考人、使用者側を代表して経団連の鈴木参考人がおいでになって、それぞれの立場で本法案に対する意見陳述を行って戴きました。その上で、与野党から質疑が行われ、私も民主党会派を代表して、法案に反対の立場で、主に経団連の鈴木参考人に質問をさせていただきました。

今日は10分という短い時間だったので、(1)そもそも立法事実がない点、(2)高度専門職と言えども本人の選択権を奪うべきではないこと、(3)高齢者の場合にはまず65歳までの継続雇用義務を徹底すべきであること、などを中心に質問させていただきました。

来週火曜日(10月28日)にまた参議院厚生労働委員会が開催され、引き続き本法案が審議されます。私も再び、対政府質疑で質問に立たせていただきます(午前10時半から30分間の予定です)ので、応援宜しくお願いします!