「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」設立総会を開催!

本日(2月26日)午後、「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」の設立総会を開催し、多くの国会議員や秘書の皆さん、外部有識者アドバイザーや関係諸団体代表者の皆さんにご参加をいただきました。

 

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このブログをフォローいただいている皆さんはご記憶のことと思いますが、これまで私たちは、教育分野におけるICTの利活用促進をめざし、超党派の有志議員一同で勉強会を重ねてきました。しかし、全国各地でICT活用教育の推進が進んできていること、今後は、法制度改革を含めた具体的な取り組みの検討・推進が必要となってきていることなどから、広く衆参国会議員の皆さんにも呼びかけながら、正式な議員連盟に衣替えし、より強力に活動を推進していくこととなりました。

 

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そしてこの度、全国会議員に議連への入会を呼びかけたところ、現時点で43名もの入会をいただき、今日、晴れて設立総会を開催する運びとなりました。総会では、まず設立趣意書と議連規約の承認をいただいた後、役員の選任をさせていただき、会長には自民党の遠藤利明衆議院議員、会長代行に民主党の中川正春衆議院議員、幹事長に自民党の盛山衆議院議員、顧問に民主党の原口一博衆議院議員、そして事務局長に、私、参議院議員の石橋みちひろが就任することを決定いただきました。副会長及び常任幹事については、入会いただいた各党議員の皆さまから選任させていただくことも併せて確認しました。

なお、これまでと同様に、中村伊知哉慶應大学教授をはじめとする錚々たる有識者の方々に「有識者アドバイザー」として議連と連携・協力し、ICT活用教育について広く内外に発信をしていただくことも確認されました。

 

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また今日は最後に、関係事業者の方々にご協力をいただいて、会場に電子黒板、実物投影機、タブレット端末などを設置し、ICT活用模擬授業を議員の皆さんに体験していただきました。また、最新の電子黒板や電子教科書、書画カメラや個別学習用アプリケーションも、実際にハンズオンで体験していただいて、教育におけるICT利活用の効果を実感してもらいました。体験してくれた議員の皆さんも驚きの声を挙げておられて、「私たちが子どもの頃にこんな素晴らしい環境があったら良かったな〜」と異口同音に仰っていました。やっぱり、実体験していただくのが一番ですね!

 

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今後は、月1回程度の勉強会や学校における実際の授業の視察等を実施しながら、ICT活用教育がさらに展開し、全国に広がって、より多くの子どもたちが豊かな教育を受けられるよう、しっかりと応援していきたいと思います。皆さんも応援して下さい!

「教育におけるICT利活用促進議員勉強会」第2回会合を開催!

今日(10月15日)の午後、私も発起人代表を務めている「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす超党派国会議員政策勉強会」が、今年度第2回目の会合を開催しました。今日はちょうど、衆議院で常任委員会が開催されていたので、議員メンバーの出席状況は今ひとつでしたが、いつもご協力をいただいている有識者アドバイザーや関係諸団体の皆さまに多数ご参加いただいて、いつも通りの賑わいを確保することができました。

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今日の会合は、まず、文部科学省・総務省のICT教育担当部局から「平成27年度予算概算要求(教育のICT化関連)」について、特に新規の要望事業について内容の説明をしていただき、質疑応答。続いて、当勉強会の有識者アドバイザーの一人でもある、NTTラーニングシステムの西田氏から「教育現場でのICT教育実践の現況について」というテーマで報告していただきました。議員メンバーやアドバイザーの皆さんからは、(1)デジタル教科書の標準化に向けた取り組み状況、(2)教育クラウドの現状と課題、(3)先生方のデジタル教材開発の取り組み状況や共有化の必要性、そして(4)端末機器の費用とその負担のあり方などについて質問をいただき、お互いに意見提起や情報共有して大変有益な議論を行うことができました。

そして最後に、私から、この勉強会の今後の展開について提案。(1)ICT教育の機運が高まっている今、勉強会から正式な「議員連盟」へと発展させ、衆参すべての国会議員に参加を呼びかけていくこと、(2)議員連盟設立後、政府に対する要望提出や、学校現場への視察、さらには民間団体との合同シンポジウムの開催などを検討し、教育におけるICT利活用促進に向けた活動をさらに強化していくことについて、出席者の皆さんの賛同を頂きました。 ということで、臨時国会中に議員連盟の立ち上げを進めて行きたいと思います。さあ、がんばるぞ〜!

2020-ICT基盤政策特別部会・基本政策委員会で中間整理案まとまる!

8月5日(火曜日)、総務省所管の情報通信審議会「2020-ICT基盤政策特別部会・基本政策委員会」第13回会合が開催され、「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」について中間整理案をとりまとめました。

詳細については、上記リンクから中間整理案をご一読いただきたいと思いますが、これまで基本政策委員会で議論が続けられてきた8つの大きな論点について、それぞれ一定の方向性が示されています。

いくつかポイントを挙げると、まず、この間、問題が指摘されてきた「グループ内外の事業者間の公正競争の徹底」については、①事業者のグループ化(合併・買収)について、総務省による一定のチェックを可能とする規律等の導入、②移動通信ネットワークの開放ルールや禁止行為規制の対象事業者の指定に当たってグループシェアを考慮する必要性、などを指摘しています。

また、「NTTグループを中心とした規律のあり方」については、固定通信市場における禁止行為規制に関し、NTT東西の設備シェアが引き続き適用基準(50%)を超えていることから、「現行の規律を維持することが適当ではないか」とする一方で、モバイル市場における禁止行為規制の見直しについては、「公正競争環境の確保に支障がない範囲内で規律を見直す方向で検討を進めることが適当ではないか」としています。また、禁止行為規制を指定するかどうかの判断についても、これまでのように個別事業者単位で考えるのではなく「事業者グループ」で考慮していく方向性が打ち出されています。

ユニバーサルサービス提供義務のあり方」については、「固定電話の維持に特化した現行ユニバーサルサービス制度の見直し」が謳われていますが、今のところ見直しの具体的内容にまでは触れられていません。

また、「携帯事業に関する多様なサービスや料金体系の実現、安心の確保」について、SIMロック解除の義務化などを通じ、携帯電話の通信料金を多様化していくことや、クーリングオフ制度を導入すること、無料Wi-Fiの整備促進などによって訪日外国人が携帯電話などを使いやすい環境を実現することなども提起されています。

なお、NTT東西の「サービス卸(光コラボレーションモデル)」については、「料金や提供条件についての適正性・公平性・透明性の確保についてどう考えるべきか」といった論点案のみが示されていて、具体的な方向性は打ち出されていませんが、自由討議の中では「外部から(公平性等を)検証できる体制が望ましい」などの意見が出されていた模様です。

全体を通して中間整理案に大きな異論は無かったとのことで、お盆明けにも開催が予定されている「2020-ICT基盤政策特別部会」において中間整理として報告される方向になりました。その後、さらに議論を深めた上で、9月末に報告書案、パブリックコメントの実施、そして11月末に報告書取りまとめ、答申というスケジュールで議論が進められる予定です。総務省は、それを受けて来年の通常国会に電気通信事業法などの関連法案を提出する方針です。

さあ、これからいよいよ議論が本格化していきます。ぜひ今後の展開にご注目下さい!

「ICTを活用した教育学習の振興」に関するシンポジウムに参加しました!

今日、6月26日(木)の午後、都内で行われた大変興味深いシンポジウムに参加してきました。タイトルは、ずばり『何がいけなかったの?フューチャー&学び〜』! 分かる人にはすぐ分かる、分からない人には何のことやら全く分からないというマニアックな(笑)タイトルですが、これ、私が世話人を務めている「教育のICT利活用促進をめざす超党派勉強会」の有識者アドバイザーグループにご参加をいただいた、慶應大学の中村伊知哉先生が企画されたシンポジウム、教育現場におけるICTの利活用促進を図るためのイベントなんです!

実は、これも知る人ぞ知る話ですが、昨年秋、平成26年度予算編成前の行政評価レビューで「ICT教育関連事業」がレビュー対象に取り上げられ、その結果、予算が大幅に削減されてしまったという経緯があったのです。そこで、あらためてICT教育の必要性と有効性を議論するために、その行政レビューで厳しい評価をされた評価委員の二人をお招きして、中村先生はじめ推進側のお二人との公開パネルディスカッションが企画されたというわけです。

行政レビューを行った側のパネリストには、土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授と山田肇・東洋大学大学院経済学研究科長。推進側からは中村先生に加えて、松原聡・東洋大学経済学部教授という顔ぶれでした。会場には、200人以上の参加者が集まってきていて、スゴい熱気を感じました。また、インターネット動画のニコ生でネット中継もされていたので、そちらをご覧になった方も大勢おいでになったと思います。

で、中身の議論はというと・・・

白熱したバトルになるかと期待(笑)していたところ、行政レビュー側のお二人も、意外にもICT教育の必要性や意義は認められていて、むしろ、文科省や現場の先生方の本気度が伝わってこないとか、ICT教育の目標が不明確で、かつその実現に向けた具体的な工程表がないといった、推進に向けた政策のあり方や改善点に関する指摘が目立ちました。つまり、とっても建設的な議論が展開されたということですね。

で、その白熱した討論の途中に、会場にいた私に突然、司会者から指名されてコメントを求められたので、ICTを活用した学びのイノベーションのためには、もはやその是非を議論する段階ではなく、どんどん実行に移す段階に来ていること、そして実行を果たしていくためには、「ハード、ソフト、ヒューマン、クラウド」をセットで推進する必要があること、などを指摘させていただきました。あとおまけで、民主党政権時代に私がかかわったワーキングチムが作成した「教育における情報通信(ICT)の利活用促進に関する政策提言」には、今日のシンポジウムで指摘があった課題やその対策などが全て盛り込まれていたことにも触れておきました。あの政策が即実行に移されていればと、今さらながら残念な思いです。

さて、今日のシンポジウム、とっても充実した議論が展開されましたが、中村伊知哉さんが最後に「今日のシンポジウムのキーワードは『本気度』と『実行』ですね」とりまとめられた言葉に尽きています。今後、政府の「本気度」を高めるためにも、超党派勉強会としてもしっかり役割を果たしていきたいと思います。

 

「我が国の出版文化国際戦略を考える懇談会」を開催

すでにご報告した通り、今通常国会では、私がこれまで2年半にわたって取り組んできた「電子書籍に対応した出版権を創設するための著作権法改正案」を可決、成立させることが出来ました。しかし、これは新しい時代に出版・印刷文化を発展させていくための第一歩に過ぎなくて、むしろこれからが勝負だということもお伝えしていたと思います。

そのこれからの展開の一つの大きな課題が、出版物の国際展開です。

文芸作品や漫画など、日本の素晴らしい出版物を海外に送り届けていく取り組みは、これまでにも官民それぞれで、またお互いに連携したイニシアチブも含めて様々な取り組みがなされてきました。しかし、なかなか総合力を発揮して国際市場で戦っていける状態にはなっておらず、所期の成果を上げているとは言い難いのが実状です。

そこで、出版者や関係省庁などが横断的に議論し、我が国の出版文化の国際展開のための政策形成に資することを目的に、中川正春衆議院議員と一緒に関係者懇談会を立ち上げることとなり、6月17日(火曜日)に第1回目の懇談会を開催しました。会合には、これまでにも国際展開に取り組んできている出版社代表の皆さんや、文化庁・経済産業省・国際交流基金といった関係機関が参加してくれて、我が国出版物(電子書籍を含む)の国際展開に関わる問題点・課題について、活発な意見交換を行いました。

今後、懇談会で提起された課題等を整理しながら、これまで著作権法改正に取り組んできた中川勉強会(印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会)や電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟において具体的な政策立案を行っていきます。日本の素晴らしい出版物を世界に届けていくための取り組み、しっかりやっていきたいと思います。

「教育におけるICT利活用促進をめざす超党派国会議員政策勉強会」開催!

6月13日(金)午後、私が呼びかけ人の1人として運営している「教育のICT利活用促進をめざす超党派国会議員政策勉強会」が今年第1回目の勉強会を開催しました。

 

会合には、議員メンバーの他、5月に立ち上げた「有識者アドバイザー」グループの皆さんにも多数、ご参加をいただきました。いや、この有識者アドバイザーグループの顔ぶれが凄いんです。ご覧下さい!

  • 赤堀侃司  一般社団法人日本教育工学振興会会長
  • 新井健一  ベネッセコーポレーション ベネッセ教育総合研究所理事長
  • 石戸奈々子 デジタルえほん代表取締役社長、NPO法人CANVAS理事長
  • 梅嶋真樹  日本論理コミュニケーション技術振興センター代表
  • 角谷浩一  政治ジャーナリスト / 株式会社ドワンゴ顧問
  • 陰山英男  立命館大学教育開発推進機構教授
  • 國領二郎  慶應義塾大学常任理事
  • 中村伊知哉 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 / デジタル教科書教材協議会(DiTT)副会長
  • 西田文比古 NTTラーニングシステム株式会社教育ICT推進部長
  • 堀田龍也  東北大学大学院情報科学研究科教授
  • 森下耕治  光村図書出版株式会社 企画開発本部 開発部長
  • 山田肇   東洋大学大学院経済学研究科長・経済学部教授
  • 龍治玲奈  日本マイクロソフト株式会社法務政策企画統括本部政策企画本部渉外・社会貢献課長

【顧 問】

  • 小宮山宏  三菱総合研究所理事長
  • 夏野剛   慶應義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授
  • 西川太一郎 荒川区長
  • 古川康   佐賀県知事

スゴいでしょ? 今後、われわれ議員勉強会の活動に大所高所からアドバイスをいただきながら、内外への発信を協力してやっていきたいと思っています。

さて、この日の勉強会では、文部科学省・総務省の担当部局より、今年度の教育のICT関連事業の内容と、それを受けて来年度以降、どのような項目について焦点を当てて具体案を検討していくかについてヒアリングを受け、出席した有識者の皆さんと意見交換を行いました。今年度は、ICT教育分野の予算が、昨年秋に行われた行政事業レビューの結果、厳しい予算査定を受けて減額になってしまったのですが、その反省も踏まえ、今後、何のために教育のICT化が必要なのか、もっと理論武装して世論喚起をしていくべきとのご意見が多くありました。

そして、過疎化や少子化が進行し、地域で学校の統廃合などが進む中で、どの地域の子どもたちも質の高い教育を受けられることを確保するためにも、ICTは決定的な解決力を持っていること、また、グローバル化が進む世界の中で、子どもたちに新たな次代を生き抜く力を養ってもらうためにも有効な解決策となることなど、ご提言を頂きました。

今後、この勉強会としても、優先課題を整理した上で、具体的なアクションにつなげていけるよう、精力的に取り組んでいきたいと思います。

超党派「電子書籍議連」総会開催!

今日(6月4日)の朝、8時から、私が事務局長を務めている「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」の総会を開催し、会員議員や多くの関係者の皆さんにご出席をいただきました。

 

すでにこのブログでもご報告した通り、議連として昨年来、取り組んできた電子書籍に対応した著作権法改正案が4月に衆参両院で全会派の賛成によって成立しました。今日の議連総会は、改正案成立後、最初の会合ということで、まずは出席者全員でこれまでの労苦を労いあった後、改正法とともに採択された11項目に及ぶ附帯決議の今後の取り組みについて、所管する文化庁、経済産業省、国会図書館から具体的計画について説明を受けました。

また、今回の改正法の実際の運用は、著作者と出版者の当事者間の契約によるところが大きいので、ご出席いただいた出版者団体、著作者団体、双方の代表者からも取り組みの状況や、今後の運用に向けた決意など、意見提起を頂きました。

意見交換の中では、この改正著作権法は、新しい時代において日本の出版文化を一層、豊かなものにしていくための第一歩であって、議連としても今後、改正法の運用をしっかりモニターしつつ、必要に応じてさらなる措置を検討していくことや、出版権の登録制度や集中管理制度、そして将来的な「ナショナルアーカイブ構想」の検討についても、関係者の皆さんと議論を続けながら取り組みを進めて行くべきこと、などの発言があり、これらの方針を全会一致で確認しました。

今日の総会には、マスコミ関係者も多数傍聴に来ていて、この問題に対する関心の高さを実感。議連としても、今後、さらなる展開を図っていきたいと思います。

民主党文部科学部門会議で「著作権法改正法案」への対応決定!

4月3日(木曜日)の朝、民主党文部科学部門会議が行われ、私が法案担当主査として検討を進めてきた「著作権法改正案」について、賛成することを決定しました。

この日の会合では、まず、日本経団連からヒアリングを行い、その後、法案審査に入りました。私から、以下の提起を行って、満場一致で決定いただくことが出来ました。

① 改正案は、いくつかの点で不十分かつ曖昧で、満足できるものとは言えないが、電子書籍に出版権設定が出来ないという現行著作権法の大問題に対応することの緊急性に鑑み、賛成とする。

② その上で、懸念される点や確認が必要な事項について、衆参委員会での質疑を通じて確認答弁をとりつつ、必要事項について附帯決議に盛り込んでいく。

今回の著作権法改正案は、これまで電子書籍に対応していなかった出版権を、新しい時代に対応した形へと改善するための第一歩になるもので、今後、その適切な運用で電子書籍の流通促進と有効な海賊版対策を確保していくとともに、出版権の管理制度や利活用促進のためのナショナル・アーカイブ等の実現に向けて、さらなる前進を遂げていきたいと思います。

「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」総会にて著作権法改正案の成立を確認

4月2日(水)の午後、私が事務局長をつとめる超党派の「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」の今年度第2回目となる総会を開催し、電子書籍に対応した「著作権法改正案」についての協議を行いました。

はじめに、総会の直前まで開催されていた、衆議院文部科学委員会での法案審議状況を各党質問者から報告いただき、主な論点と政府側の答弁内容について確認しました。その上で、議連としての最終的な方針を次の通り決定しました。
    1. 法案の内容については、電子書籍に対応していない出版権の問題を打開するために大きな前進を図ることが出来る観点で、議連としては賛成する;
    2. その上で、これまでの議連方針と異なる点を中心に、懸念される点を委員会質疑を通じて明らかにするとともに、必要な事項を附帯決議に盛り込むべく、働きかけを行う;
    3. 著作者と出版者との今後のルールづくりをしっかり見守りながら、出版権の集中管理機構やナショナル・アーカイブ等、日本の出版・印刷文化の振興のために必要な施策の実現を求め、今後、更なる活動を続けていく。
 以上のように、議連として法案の成立に一致協力して努力を続けて行くことと、将来的な課題に向けて議論を継続していくことを決定しました。引き続き、議連の事務局長としてがんばっていきますので、今後の取り組みにぜひご注目下さい!

 

 【委員会質疑で確認すべき事項】

1.本法の目的と出版権制度の拡充・利活用促進

  • 本法の目的が、我が国の多様で豊かな出版・活字文化を一層発展させ、著作者の権利を保護しつつ多様な著作物を多様な出版形態でより多くの国内外の利用者に届けていくことにあること。
  • そのため、真に実効性ある海賊版対策を確保するなど、出版権制度の拡充と利用促進に向けて必要な対策を行う必要があること。

2.出版制度の尊重

  • 我が国が世界に誇る出版・活字文化は、著作者と出版を引き受ける者との間の信頼関係に基づく、企画から編集、制作、宣伝、販売という一連のプロセスからなる出版制度がその基盤にあること。
  • 本法によって設定可能となる電子的な公衆送信にかかる出版権の下でも、この出版制度が尊重され形で運用されること。

3.雑誌等、複数の著作物によって構成される著作物

  • これまで出版権設定が進んでこなかった雑誌等、複数の著作物によって構成される著作物などについても出版権設定が可能であることを確認し、周知すること。
  • 加えて、物権的に細分化された出版権が設定された特定の出版物の海賊版が流通した場合でも、効果的な海賊版対策を行える措置を講じること。

4.塩漬け問題の回避

  • 本法案では、効果的な海賊版対策を講じる観点から、著者が契約締結時において電子書籍を出版する意志や計画がない場合であっても1号出版権・2号出版権を一体的に設定することが推奨されるが、その後、著者が電子書籍の出版を希望する(当該出版者または別の出版者)に至った場合に、当事者間の調整が整わず、著者の意図に反して出版が行われないまま塩漬けにされることがないよう適切な対策を講じること。

5.2号出版権のみ設定された場合の海賊版対策

  • 電子的な海賊版については、ひとたびインターネット上で公衆送信行為が行われれば完全に差し止めることは困難で、甚大な被害が生じてしまうことから、2号出版権しか持たない出版者においても違法配信目的で複製がなされた場合には著作権法第112条の「出版権を侵害するおそれがある場合」としてその段階で差止請求を行い得ることを周知しつつ、その具体的な事例について研究を行うこと。

6.みなし侵害規定の検討

  • 真に有効な海賊版対策を講ずるため、今回の改正で見送られた「みなし侵害規定」の創設を含め、実効性ある対策について速やかに検討に着手すること。

7.海外の海賊版対策

  • 海賊版については、日本国外での被害が圧倒的多数であることから、その対策強化をはかるための国際的な連携・協力の強化など、海外での不正流通取締対策に積極的に取り組むとともに、出版物の正規版の海外流通の促進に向けて官民挙げた取り組みを推進すること。

8.登録制度に係る検討

  • 出版権の登録・管理制度、およびナショナル・アーカイブ等を早急に整備するため、具体的な検討に着手すること。
  • また、当事者間の契約上の紛争予防および紛争が発生した際の円満な解決の促進をめざし、出版契約における裁判外紛争解決手段(ADR)を創設すべく必要な対策を講ずること。

9.障害者のための著作物利用の促進

  • 障害者のための著作物利用の促進と円滑化に向けた著作権法の適切な見直し、特に、障害の種類に関わらず全ての障害者がそれぞれの障害に応じた形態の出版物を容易に入手できるよう第37条第3項の改正を検討すること。

(以上)

 

「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」2014年度第1回総会開催!

今日は、朝8時から、超党派有志議員による「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟(以下、議連)」の今年度第1回目の総会を開催しました。私は、この議連の事務局長を務めています。ちなみに、会長は自民党の河村建夫衆議院議員、会長代行は民主党の中川正春衆議院議員です。

今日の総会では、去る3月14日に閣議決定された「著作権法の一部を改正する法律案」について文化庁より説明を受け、法案の内容について議員間で意見交換を行いました。このブログでも、過去の議連総会での議論を紹介してきましたが、今回の著作権法改正案は、紙媒体による出版のみを対象としている現行の出版権制度を、電子書籍に対応した出版権として整備し直し、紙媒体から違法に複製されてインターネット上にアップロードされた海賊版等への対策を有効に行えるようにして、電子書籍の流通・普及促進を図ることを目的としたものです。

これまで、議連として昨年12月に決定した基本方針に基づいて、議員立法案の作成作業を進めてきました。同時に、「文化審議会出版関連小委員会」が昨年末に出した結論に基づいて文化庁が準備を進めていた法律案の概要が明らかになるのを待っていたわけですが、それがようやく出てきたので、今日、その内容について議連で初めてヒアリングを行ったわけです。

今日の説明と、それに続いて行った議員間討議の中で一番の焦点となったのが、電子書籍に対応する新たな出版権の内容(法律案の第80条に規定)と、その出版権の主体に関する規定(法律案第79条)についてです。

まず、出版権の主体については、現行の著作権法79条が「著作物を文書又は図画として出版することを引き受ける者に対し、出版権を設定することができる」と規定しているのに対し、今回の法律案79条ではこれを大きく変更し、「出版することを引き受ける者」と「公衆送信を引き受ける者」を並列して出版権の主体として規定をしている点が議論になりました。後者の場合、出版行為を行わない、いわゆる「純粋プラットフォーマー」(=出来上がった出版物のネット配信だけを行う業者)まで出版権の主体になり得るではないかと懸念するわけです。

また、出版権の内容についても、議連では「紙媒体の複製権」と「電子媒体の複製権+公衆送信権」を併せて出版権として規定すべきと考えていましたが、閣法案では「複製権」と「公衆送信権」とを分け、それぞれ1号出版権と2号出版権として規定をしています。これでは、1号出版権だけを持つ者はネット上の海賊版に対抗出来ないし、2号出版権だけを持つ者は違法複製に対抗できないことになってしまうのではないか、というのが懸念点です。

これらの点について文化庁に説明を求めたわけですが、残念ながらなかなか明快な答弁を得ることは出来ませんでした。議連としては、これからの法案審議に向けて、文化庁からさらなる説明を求めつつ、各党からも論点や問題点を出してもらって論点整理を図っていくことを確認しました。その上で、必要に応じて総会を開催し、議連の対応を決定していくことも決定して、今日の総会を終了しました。

民主党としての党内手続きも今週から始まりますが、文部科学部門会議では私がこの法案を担当する主査になりましたので、引き続きしっかり取り組んでいきます。