8月4日(火)早朝、私が事務局長を務めている「ILO活動推進議員連盟」の今年度第3回勉強会を開催。今回は、ILO本部ジェンダー・平等・ダイバーシティ部よりショウナ・オルネイ部長が来日された機会を利用し、我が国がまだ批准をしていない中核条約である「雇用及び職業についての差別待遇に関する条約(ILO第111号条約)」について講演をいただき、出席いただいた多数の国会議員および政労使のILO理事組織の皆さんにご議論をいただきました。

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まず、オルネイ部長からは、この第111号条約の未批准国が、世界であと14カ国になっていて、G20諸国では、なんと日本とアメリカだけが残されていることに言及がありました。そして日本がなぜ批准出来ないのか?という疑問について、ILOに対する日本政府の報告が「社会的パートナー(労使)との話し合いの実施を示しつつも、国内法と条約の整合性に関するさらなる検討が必要」と、2000年以降ずっと同じ回答が続いていることを指摘し、この条約は差別禁止と平等実現のための二つ基礎的要素である多様性(ダイバーシティ)と包摂(インクルージョン)のカギでもあって、ぜひ一刻も早い批准に向けて努力を続けて欲しい旨、要請がありました。

出席議員からは、なぜ日本でいまだに批准できないのかに質問が集中。厚生労働省の伊澤ILO政府側理事からは、日本の場合は、国内法との整合性がとれないと条約を批准できない原則になっていることに加え、この条約を批准させる強力な推進力が存在していないことが理由だと説明がありましたが、この条約が採択されてもう半世紀以上経過していることを考えれば、大変苦しい説明だったと言わざるを得ません。

ILO議連としても、未批准の中核条約の批准に向けた努力は課題の一つ。今後も、111号条約の批准促進に向けて、検討を深めていくことを確認して、勉強会を終了しました。

 

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ちなみに、オルネイ部長とは、私がILOの国際研修センター(通称トリノセンター)で勤務していた時代に何度か一緒に仕事をした仲。もう10年振りぐらいの再開でしたが、お互いに元気に頑張っていることを讃え合いました!