参議院決算委員会で質問に立ちました

事前にお知らせしていた通り、本日(5月12日)開催された参議院決算委員会(平成23年度及び24年度決算、省庁別審査ー外務省及び国際協力機構)で、民主党質問者の1人として質問に立ちました。

今日の決算委員会では、特に「政府開発援助(ODA)」をテーマにして、国民の貴重な税金を使って実施されている我が国ODAが、その本来の目的を達しているのか否か、とりわけ、アフリカやアジアの最貧国において、貧困や飢餓の撲滅、国民の大多数を占める小農民の生計・生活向上に貢献しているのかどうかを考えるために、具体的な事例としてモザンビークとミャンマーのケースを取り上げて質疑を行いました。

詳細は、ぜひ参議院インターネット審議中継で録画をご覧いただきたい(委員会のリストから決算委員会を選び、今日の日付をクリックして下さい)と思いますが、質疑の主な内容は以下の通りです(正確な議事録ではありませんのでご了承を)。

1. モザンビーク・熱帯サバンナ農業開発プログラム(ProSAVANA-JBM)について

  • 2011年から実施されているモザンビーク北部ナカラ回廊地域における「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発プログラム(ProSAVANA-JBM)」は、 ①研究・技術 移転能力向上事業(ProSAVANA-PI)、②マスタープラン策定支援事業(ProSAVANA-PD)、③コミュニティレベル開発モデル策定事業(ProSAVANA-PE)が柱となっているが、その中核をなす「プロサバンナ・マスタープラン策定支援事業」が、当初、2013年3月までに終了する計画から大きく遅延し、現在に至るまで策定のメドが立っていない。まず、その理由を明らかにされたい。
  • 市民社会との協議が進んでいるかのような説明があったが、実際、昨年の段階から全く進捗していないのではないのか?
  • 3州のうち、2州では協議が行われていると言うが、これらの州でも実際には一部の市民社会グループと何度か会合が行われただけと聞いている。また、ナンプーラ州では、代表組織である市民社会プラットフォームが対話に応じていないはず。そして、モザンビーク最大の農民組織である全国農民連合(UNAC)をはじめとする現地の女性組織、人権組織、環境組織との「対話」も停止してしまっている。この状態について、政府・JICAはきちんと問題を認識しているのか?
  • 昨年、5月28日に、モザンビークの地元23団体と世界42団体によって、安倍総理を含む三か国首脳に渡された「事業の緊急停止を求める公開書簡」について、1年経とうとする今もなお、政府は回答していない。この点については、岸田外務大臣も昨年から国会答弁で、モザンビーク政府と協議して早急に対応したいと述べておられたが、今だに棚晒しになっている。なぜ、回答がなされないのか? いつまでに回答するのか?
  • プロジェクトの最大の裨益者であり、最も影響を受ける現地小農民の皆さんが文書で示した懸念に、1年以上も回答ぜず棚晒しにしたまま、プロジェクトの一部事業を進めてしまっている。そのことが、信頼関係を損ね、マスタープラン策定事業の進捗をストップしているのではないのか?
  • 「公開書簡」への回答がなく、マスタープラン策定のための「当事者との対話」が事実上、ストップしている中で、プロサバンナ事業の三本目の柱である「コミュニティレベル開発モデル策定プロジェクト(ProSAVANA-PE)」が対象地域で進められている事実について、政府・JICAはどのように説明するのか? 当初は、2013年3月までにマスタープランの策定がほぼ終了し、そこからPEが始まるスケジュールではなかったか? PEはマスタープランづくりに必要との説明は、完全に後付けでは?
  • 結局、そもそもの問題は、最初の段階のボタンの掛け違いではないのか? JICA環境社会配慮ガイドラインに基づいて、プロジェクトの企画段階から当事者(ステークホルダー、特に直接の裨益者となる小農民及びその代表組織)の参加・参画が確保されてきていれば、このような事態にはならなかったのではないか? まずは、1年間棚晒しにしてきた書簡に早急に、かつ真摯に回答し、その上で、ステークホルダーとの信頼関係を取り戻すため、真摯に対応して欲しい。
2.ミャンマー・ティラワ経済特区開発事業に係る住民の非自発的移転問題について
  • 5月1日に現地を訪問し、住民の生活環境、そして移転先の環境を実際に視察してきた。まず、移住対象となった住民グループからJICA田中理事長宛に送られた書簡(過去6回)に対し、未だ文書による回答がなされていない。その理由を説明して欲しい。
  •  では、住民グループからの再三の要請にもかかわらず、昨年10月15日以降、JICAが住民からの直接対話に応じていないことに対しての合理的な説明は? 「ステークホルダーから指摘があった場合は回答する」とのJICA環境社会配慮ガイドラインに抵触していないか?
  • JICA環境社会配慮ガイドラインでは、非自発的移転の対象となる住民について: ①以前の生活水準や収入機会が少なくとも回復または改善されること ②対策の立案、実施、モニタリングには当事者の適切な参加が確保されること、 ③苦情処理メカニズムが整備されていること、などを規定しているが、すでに移転した住民について、これらが適切に確保されているとJICAは評価しているのか?
  • 現在の環境について、第三者による評価を住民の参加も確保して実施するべきだと考えるが、実施する考えはあるか?
  • すでに現状において、①生計手段の問題、②水の問題、③子どもたちの学校の問題、④雨期対策の問題など、喫緊の課題がある。これらにどのように対策を講じるつもりか?
  • これから協議が行われる2000ヘクタールでは、実際の移転はまだ数年先になる可能性があるにもかかわらず、(1)すでに2年前から灌漑用水設備が止められて乾期の農業が出来なくなり、農民の収入が激減しているし、(2)今年から農業を停止せよと政府が言っているなど、農民は深刻な不安を訴えている。今回面会したティラワの住民たちは、「今回は、日本が支援するプロジェクトだからきっといいモデルを作れると思って協力してきた。しかし今の状況は、到底納得出来ない」と言っている。政府として責任ある対応をすべきだ。外務大臣、ぜひ大臣が責任を持って対応して欲しい。

(以上)

ミャンマーでの嬉しい出来事

 

ゴールデンウィークにミャンマーへ視察に行ったことはすでにお知らせした通りですが、実は、最終日に大変嬉しいことがありました。それは・・・。

ミャンマーの労働組合ナショナルセンター、FTUM(ミャンマー労働組合連盟)本部にお邪魔して会談を行ったときのこと。同席した執行委員の中に、「あれ、以前、どこかで会ったことがあるな~」という女性が・・・。「さて、どこで会ったっけ~???」と考えていたら、「あっ~!!!」と思い出したのです。

 

11年前、ILO国際研修センター勤務時代に、ビルマ(ミャンマー)の民主的労働運動育成支援のための研修プログラムをバンコク郊外で実施したのですが、その時、ミャンマー国境沿いのメソトから参加してきていた女性活動家だったのです! もちろん、彼女も私のことを覚えてくれていて、再会を喜びあいました。

 

彼女は、当時まだ20歳ぐらいで、「こんなに若い女性が民主化運動のために祖国を離れて頑張っているのか」と感銘を受けたわけですが、その後も活動を続け、2年前に帰国を果たして、今はヤンゴンで、FTUMの主要メンバーの一人として頑張っています。かつて、自分のプログラムに参加してくれた研修生が、その後、活躍してくれているのを見るのは本当に嬉しいことですね。

 

ミャンマーの未来のためにも、FTUMの活動は大変重要です。今後の活躍を応援していきたいですね。

 

ミャンマーでの嬉しい出来事

ゴールデンウィークにミャンマーへ視察に行ったことはすでにお知らせした通りですが、実は、最終日に大変嬉しいことがありました。それは・・・。

ミャンマーの労働組合ナショナルセンター、FTUM(ミャンマー労働組合連盟)本部にお邪魔して会談を行ったときのこと。同席した執行委員の中に、「あれ、以前、どこかで会ったことがあるな〜」という女性が・・・。「さて、どこで会ったっけ〜???」と考えていたら、「あっ〜!!!」と思い出したのです。

11年前、ILO国際研修センター勤務時代に、ビルマ(ミャンマー)の民主的労働運動育成支援のための研修プログラムをバンコク郊外で実施したのですが、その時、ミャンマー国境沿いのメソトから参加してきていた女性活動家だったのです! もちろん、彼女も私のことを覚えてくれていて、再会を喜びあいました。

彼女は、当時まだ20歳ぐらいで、「こんなに若い女性が民主化運動のために祖国を離れて頑張っているのか」と感銘を受けたわけですが、その後も活動を続け、2年前に帰国を果たして、今はヤンゴンで、FTUMの主要メンバーの一人として頑張っています。かつて、自分のプログラムに参加してくれた研修生が、その後、活躍してくれているのを見るのは本当に嬉しいことですね。

ミャンマーの未来のためにも、FTUMの活動は大変重要です。今後の活躍を応援していきたいですね。

月曜日、決算委員会で質問に立ちます!

事務所便りでお知らせしている通り、明日(5月12日)の参議院決算委員会で質問に立ちます。明日は、省庁別の決算審査で、外務省が対象に含まれているので、政府開発援助(ODA)に絞って質疑を行います。

具体的には、これまでにも何度か取り上げてきているアフリカのモザンビーク案件(プロサバンナプロジェクト=農業開発支援)と、ミャンマーのティラワ経済開発地域プロジェクト及び少数民族避難民帰還支援プロジェクトです。

たくさん聞きたいことがあるのですが、質問時間が40分と短いので、それぞれ20分ずつ振り分けて、ポイント絞って質疑しようと思っています。双方に共通するのは、JICAの環境社会影響ガイドラインの遵守が適切に行われているのかどうか、引いては、日本のODA支援が本当に裨益国の国民のために貢献しているのかどうか、という問題です。

応援宜しくお願いします!

【お知らせ】5月12日(月)決算委員会で質問に立つことが決まりました!(事務所だより)

 

石橋議員が参議院決算委員会で質問に立つことが決まりました!
日時:5月12日(月)

10:00~17:20 決算委員会(休憩12:40~13:30)
11:15~11:55 石橋議員の質問 持ち時間40分

※質問時間は目安です。当日の進捗で多少かわることもございます。

 

内容:平成23年度、24年度のODA決算に関する質疑(モザンビーク及びミャンマー案件)

 

委員会での質疑の模様は参議院インターネット審議中継で御覧になれます。↓

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

みなさま、応援よろしくお願いいたします!

 

 

【お知らせ】5月12日(月)決算委員会で質問に立つことが決まりました!(事務所だより)

 

石橋議員が参議院決算委員会で質問に立つことが決まりました!

日時:5月12日(月)

10:00〜17:20 決算委員会(休憩12:40〜13:30)
11:15〜11:55 石橋議員の質問 持ち時間40分

※質問時間は目安です。当日の進捗で多少かわることもございます。

内容:平成23年度、24年度のODA決算に関する質疑(モザンビーク及びミャンマー案件)

委員会での質疑の模様は参議院インターネット審議中継で御覧になれます。↓

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

みなさま、応援よろしくお願いいたします!

ミャンマー視察旅行記 第一弾:カレン州視察

皆さん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしになりましたか? 私は、事前にお知らせしていた通り、ミャンマーに視察出張に行ってきました。昨年8月のカチン州訪問に続くミャンマー出張で、今回は、ミャンマーの東部、タイとの国境沿いに広がるカレン州をメインに行動してきました。

 

すでにこのブログでも何度かご紹介していますが、カチン州やカレン州を含むミャンマーの少数民族地域の多くは、長年に渡る国軍との武力闘争の結果、村々が破壊され、多くの住民が国内避難民(IDP)または国外難民として故郷を離れて生活しています。カレン州の場合は、2012年に政府との暫定停戦合意が締結されるまで、60年余りに渡って戦闘が続けられてきたため、難民の数も10万人以上と言われています。

 

2012年の暫定停戦合意によって、ひとまず大規模な戦闘は収まっていて、各地で町や村の再建に向けた取り組みが始まっています。特に、国際的な支援も受けながら難民の帰還支援に向けた取り組みが各地で始まっていて、日本もODAでその取り組みに貢献しているのです。

 

今回は、カレン州におけるその日本の帰還支援事業の実状を視察に行ったというわけです。以下、その概要を報告します。

 

 
《4月28日(月)》

 

前日午後、ヤンゴンに到着して、早速、在ヤンゴン日本大使館及びJICAヤンゴン事務所との意見交換を実施。そして翌朝8時から、ヤンゴンのカレン民族市民組織(NGO)の代表者たちとの意見交換を行いました。

 

私の最大の関心事は、市民運動の統一。これまでとかく「分裂している」とされてきたカレンのNGOグループですが、彼らによれば「2年前の暫定停戦合意以前は、国内で活動しているNGOと、タイ側を拠点に活動しているNGOとは、全くコミュニケーションを取ることが許されなかったし、出来なかった。会合が発覚したら投獄された。だから意思統一もできず、バラバラの活動を余儀なくされてきた」とのこと。暫定停戦合意によってようやく連携が可能となり、Karen Community-Base Peace Support Network (KCBPSN)という新たなネットワーク組織を結成して、今、このKCBPSNを窓口に海外支援組織との連携を強化しているとのことでした。この点はまず歓迎したいし、彼らの努力に敬意を払いたいですね。

 

その上で、彼らの懸念は、「日本のODA支援はミャンマー政府との協議のみで実施されていて、民族組織側と全く連携がない」という部分。この点は、私たちもかねてから問題として指摘しているところです。「米国大使館も英国大使館も私たちを招いて協議してくれるのに、日本大使館やJICAからは声がかかったことがない」と。今、JICAがカレン州(とモン州)で基礎調査を行っている難民帰還支援プロジェクトについても、「その対象となるカレン民族の話を聞かずして、いかなるプロジェクトをやるつもりなのか?」と心配していました。これらの点は、今回の視察でカレン民族側組織から異口同音に発せられた心配の声ですので、私としてもフォローしていきたいと思います。

 

会合終了後、ヤンゴンからカレン州パアンへ車で移動。約5時間半の行程でした。ヤンゴンを出ると、風景はもう田園か野原ばかり。素朴な田舎の風景と、時折通過する町々の様子を興味深く眺めながら、意外にあっという間にパアンに到着しました。

 

パアン到着後、そのままカレン州の州庁舎に行って、カレン州知事と会談。会合にはずらっと役人の皆さんが並んだ(下の写真。これがミャンマーの典型的な公式会合の様子です)のですが、話をするのはもっぱら州知事だけ。「気むずかしい人」と聞いていたので、かなり慎重に言葉を選びながらの会談でしたが、最後の方は州知事から日本の現状について質問が出されるなど、最後までいい雰囲気でした。

 

私が特に要請したかったのは、現在、政府側の管轄下にある地域に限定されている日本のNGOの活動範囲を、今後、カレン民族組織側の管轄地域や、双方の影響が及ぶ中間地域にも拡大させて欲しいという点。それをかなりマイルドに表現して、以下のようにお話ししました:

 

「日本国民からの支援を、ぜひ、真に支援を必要としているカレン州内の地域や住民たちに届けていきたい。そのためには、様々なチャンネルで相互に連携・協力し、ニーズと支援をマッチングさせ、必要な支援を必要な地域に届けられるようにしていく必要があり、政府間だけでなく、民間NGO間や、コミュニティー間での連携強化が必要と考える。昨年から、日本のNGOがカレン州で支援を始め、頑張ってくれているが、今後、支援を必要とするカレンの市民組織や地域、コミュニティーとの連携を広げ、より幅広くカレン州の再建に貢献できるよう、州政府としてもサポートして欲しい」

 

州知事は、それでも慎重な言い回しの回答でしたが、「日本の支援には大いに感謝し、期待している。カレンの複雑な事情を理解してもらうことが第一で、その上で、必要な協力・連携をしていきたい」との言葉がありました。今後、継続的に働きかけを続けて行くことで、より望ましい形の支援が(徐々にではあれ)展開していけるのではないかと期待しています。

 

州庁舎を離れ、今度は日本のNGOグループの皆さんとの会合へ。昨年からスタートしたカレン州で帰還支援プロジェクト事業を担ってくれているNGOの皆さんが集まってくれました。

 

このNGOグループによる事業は、NGOのネットワーク組織であるジャパンプラットフォーム(JPF)を窓口に、その傘下のNGOがそれぞれの得意領域で事業を受け持って、カレン州内の村々で社会インフラの再構築や生活再建支援を行っているものです。この最初の会合では、それぞれのNGOから事業の概要やこれまでの成果、さらには今後の展開についての展望など、お話しを聞かせていただきました。それぞれの事業が大変興味深い内容で、私もついつい質問攻めにしてしまいましたが、多くの有益な情報をいただきました。

 

 

会談を終えて外に出ると、もう辺りは真っ暗。そのまま近くのBHNテレコム協議会さんの事務所にお邪魔して、事務所内の様子をパチリ。専門家の方は、このオフィスに寝泊まりをされていて、寝室(?)も見せていただきました。頑張っておられます。

 

 

 

 《4月29日(火)》

 

翌朝、8時半にパアンのホテルを出発。BHNテレコム支援協議会ピース・ウィンズ・ジャパン(PWJ)がプロジェクトを実施している、北東部のラインブエ・タウンシップに向かいました。

 

BHNのプロジェクトサイトは、Shanywathit(シャインワティ)という、ラインブエ・タウンシップの中でも北東部の端、タイとの国境にほど近い小さな村です。はじめ、車で3時間以上かかると言われていたのですが、新しい道路が急速に整備されてきていて、結果、今回は2時間少々で到着しました。しかし道中、至る所に橋のない川があって、なかなかスリルのある道のりでした。これでは雨期には通行できないでしょうね。

 

 

途中の景色はこんな感じ。素朴な雰囲気ですが、つい2年前まで実際に戦闘が行われていた地域も含まれています。

 

 

そして到着したShanywathit(シャインワティ)。早速、BHNが設置した太陽光発電システムを見せてもらいました。村の集会場には、LED電球や、大画面テレビ、そしてCDMAシステムの電話機などが設置。これらのおかげで、村人たちが毎日のように集会場にやってくるので、村内のコミュニケーションが良くなったとお坊さんも村のリーダーも大変喜んでおられました。(BHNの活動についてはこちらもご覧下さい

 

そして、この集会場の裏手にピースウィンズジャパンの支援で建設中の井戸も視察。カレン州でも、とにかく安全な水を安定的に確保することが大変で、この水の問題の解決なくしては生活再建も将来的な難民の帰還もままなりません。しかし井戸というのも、ただ掘ればいいというわけではないので、井戸の修理や新設は非常にニーズの高い支援事業とのことでした。こちらはまだ建設中ですが、皆さん、完成が待ち遠しいと!

 

午後になって、シャインワティから、ピースウィンズジャパンが支援事業を行っている別の村へ移動。道中で、ある村の食堂に立ち寄ってみんなで地元料理でお昼ご飯。どこでも何でも食べられるっていうのは、こういう時に強いですね(笑) いや、本当に地元料理って美味しいです。

そして、次なる村に到着すると、学校では子どもたちが伝統舞踊の練習中。しばし、綺麗な踊りを見させてもらいました(ちなみに、写真の左側の女子生徒たちと、右側の生徒たちは違う踊りを練習しています。双方が音楽をガンガン鳴らしながらの練習で、よく混乱しないなと感心・・・笑)

 

 

そして到着したのがこの井戸。元々あった井戸ですが、PWJの支援で全面的に改修され、足こぎ式のポンプも設置されて村人たちが大喜び。私も思わずトライさせてもらったのですが、実に軽くてスムーズで、これなら子どもでもお年寄りでお難なく水を汲み上げることが出来ると実感しました。

 

そして、その場にいた村人たちと談笑。これぞ、井戸端会議(笑) 井戸の話だけでなく、村での日々の生活や、戦闘が行われていた頃の話、子どもたちの教育や将来のことなど、つい時間を忘れて話し込んでしまいました。楽しかった! (ピースウィンズジャパンの活動についてはこちらを参考にして下さい

 

 

 《4月30日(水)》

 

パアンでの3日目、実質的に最終日となるこの日は、まずカレン民族側のNGOグループの皆さんとの会合からスタートしました。すでに4月28日にヤンゴンで会合していたので、予備情報はタップリ。私からも色々と質問をさせていただきながら会合を進めて行きました。

 

NGOグループ側からは様々な質問や意見提起があったのですが、まず何と言っても、日本のNGOがカレン州内でさまざまなプロジェクトを実施していることについて私が尋ねると、彼らは「知らない」「全く情報がない」「何の相談も説明もなかった」という反応。私がその背景と理由を説明したのですが、「わたしたちの州で日本のNGOが活動しているのに、私たちが全く何も知らないというのはどうなのか?」と繰り返し訴えられました。

 

結局、ヤンゴンでの会合と同様に、「欧米の国々やNGOは私たちと相談して事業を進めてくれているが、日本はどうして出来ないのか?」というところに行き着いてしまいます。「日本のNGOたちはぜひそうしたいと思っているし、実際、すでにそうしているNGOも一部ある。今後、徐々にではあるが、対話が広がっていくように私の立場からも努力したい」とお伝えしました。やはり、この辺が大きな課題です。

 

 

NGOの皆さんとの会合に続いて、カレン民族同盟(KNO)のパアン事務所へ。この会合には、KNOの拠点があるタイ側のメソトから、KNUの国際局長や民生局長がわざわざやってきてくれました。

 

会合では、最近のKNUの動き、特にカレン州の再建に向けた取り組みの話や、政府との和平交渉の状況、さらにはKNUをはじめとするカレン民族側の複数の組織が進めているネットワークづくりの話など、さまざまにお話しを伺うことができました。特に、「これまで確かにKNUも、カレン民族側の組織も分裂していて、海外のドナーには複雑かつ難しい印象を与えてきたと思う。そのことについて我々自身も問題意識を持っており、KNUとしても組織外対応の一元化や他の民族組織との連携強化を進めている」との発言があったことは、いい意味で驚きましたし、その自主的な取り組みを歓迎したいと思います。

 

 

会合の後、パアンの市内で、現地の皆さんが普通に食事する道ばたの食堂でお昼ご飯。これで(下の写真)1人100円以下。それでも地元の皆さんにとっては安くない外食のお昼ご飯です。

 

 

さて、昼食後、またしても車で北東部の村へ。午前中に会合したカレンNGOの皆さんに、「普通の村で村人たちとじっくり意見交換をしたい」とお願いしたら、連れてってくれました、普通の村に。で、集めてくれました、村人たちを!

 

上の写真のような調子で、約2時間。内戦の話から政治の話、そしてまた子どもたちの教育の話やカレン州の将来の話まで、いろんな話をああでもない、こうでもないと言いながらじっくり話し合いました。しばしば、村人たちが自分たちの間で議論になって盛り上がってたのが印象的でした。

そして、パアンへの帰路で素晴らしい夕日と遭遇。写真ではなかなか伝わらないと思いますが、実に綺麗な真っ赤な夕日でした。

 

パアンに帰り着いたのはもう夜。さすがに疲れたし面倒くさいので、宿泊ホテルのレストランで夕食を済ませようと思ったら、ばったり遭遇したのが帰還支援プロジェクトを実施しているNGOの一つ、日本国際民間協力会(nicco)の皆さん。せっかくだから(?)と勝手に合流して、一緒に夕食をとりながら現地での苦労話など、さまざまにお話しを聞かせていただきました。それにしても、お三方とも、昨年暮れからパアンに駐在してプロジェクトを実施しておられます。何ともたくましいし、頼もしい! (niccoの現地活動についてはこちらを参照して下さい

 

毎日停電があったり、これから雨期に入ったりで本当に大変だと思いますが、引き続き、日本国民とミャンマー国民(カレンの皆さん)をつなぐ架け橋として頑張って下さいね!

 

 

ということで、長くなりましたが、ミャンマー視察報告の第一弾、カレン州での活動部分、これで終了です。この後、ヤンゴンでの活動についてはまた続きで報告しますので、しばらくお待ちを!

 

「国際連帯税創設を求める議員連盟」2014年度第1回総会&勉強会を開催しました

今日、4月23日(水)の午後、私が事務局長を務めている超党派議員による「国際連帯税創設を求める議員連盟」が、2014年度第1回総会及び勉強会を開催し、会員議員の皆さんや、日頃から連携して活動している国際連帯税フォーラムの皆さんらが多数、参加してくれました。

今日の会合は、2階建て。まず、今年度初の総会を開催して、2013年度活動報告及び会計報告、さらに2014年度活動計画(案)の提案を行い、全て満場の拍手で承認、決定をいただきました。

今年度の活動計画では、以下の3点を中心に活動していくことが確認されています:

  1. 「税制抜本改革法第7条7項」に明記されている国際連帯税の導入に向けた具体的な検討を早急に開始することを政府に要請すること
  2. 欧州金融取引税(FTT)など、国際的な動向について情報収集及び分析を行い、議連メンバー間で共有していくこと
  3. 国際連帯税フォーラム等、市民グループとの連携による国民の理解増進と世論の喚起を行っていくこと。

総会に続いて、第1回勉強会に移行。今日は、この分野の第一人者である横浜市立大学の上村雄彦教授から「欧州金融取引税(FTT)の最新動向について」というテーマでご講演いただきました。

上村教授は、EU11カ国が先行して導入しようとしている欧州金融取引税が、早ければ5月にもその具体的な内容が示され、実現に向けて大きく前進する可能性があること、もし実施されると、導入する11カ国の金融機関と取引を行う日本の金融機関にも課税され、その税収は欧州11カ国に入ることなど、想定される制度の概要とその影響について解説していただきました。

その上で、今後、議連と市民グループとの連携でどのような活動を行っていく必要があるかという点について提言をいただいたのですが、これが大変参考になるもので、講演後の意見交換の中でさらにアイデアを出し合って、以下のような活動を計画の中に加えることを確認しました。

①かつて国際連帯税について重要な研究と提言を行った、寺島実郎氏を座長とする委員会(通称、寺島委員会)」を再興し、内外への発信を行うこと
②在京のEU11カ国の大使館関係者らとの意見交換の場をもち、その後、欧州にFTT調査団を派遣すること
③来年度の税制改革大綱に「国際連帯税の導入」を検討事項として入れ込むために連携を強めること

です。

また、「国際連帯税」という呼称についてあらためて検討していくことも確認しました。今後、国民の皆さんの理解と応援をいただく上で、もう少し分かりやすく、親しみやすい呼称の方がいいのではないかという考えです。 さて、どんな呼称がいいでしょうかね。いい考えがあったらぜひ提案をお願いします!