事前にお知らせしていた通り、本日(10月28日)午前、 参議院厚生労働委員会で、有期雇用特措法案に関する質疑に立ち、法案の問題点について政府を追及しました。

 

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この有期特措法の問題点については、すでに先週のブログ記事で簡単に解説した通りですが、下記に、本日の委員会の最後、採決の前に民主党会派を代表して行った反対討論の全文を転載しておきますので、ぜひご一読下さい。

そして今日の質疑ですが・・・

実は、荒れまくりました。私の質問に対する政府からの答弁がとんでもない内容で、それを追及すると塩崎厚労大臣がしどろもどろになり、質疑が何度も止まってしまったのです。もしインターネット中継で質疑の模様をご覧いただいていた方がいたら、何が何だか分からなかったかもしれませんね。

では、その質問は何だったかというと:

(石橋質問) 認定された第一種計画(高度専門職労働者)に基づいて、個々の労働者との労働契約書に有期雇用契約の完了日(つまり無期転換権の発生時期)が書き込まれるとすると、契約が短期の反復更新であっても、当然、その完了日までの更新期待が生じることになる。つまり、労働契約法19条の規定に鑑みれば、合理的な理由なく、完了日前に雇い止めをすることは許されないはずだが、そういう理解でよいか?

これ、今回の法案の肝になる部分で、私にしてみれば政府からの確認答弁をとっておくつもりで聞いた質問だった(つまり、答弁は「その通りです」のひと言で良かった)のです。ところが、政府の答弁は「その保障はない」というような内容だったので、紛糾した(=私が怒った)わけです。だってその答弁では、「労働者の利益のための法案です」と言いながら、法文上、労働者の保護や利益には何の保障もないことを、政府が答弁で自ら認めてしてしまったようなものなのですから。

 

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結局、この混乱は、再開後の午後の委員会の冒頭、塩崎厚労大臣が混乱を陳謝した上で、「期間前の合理的な理由のない雇い止めは認められないということを、厚労省として周知徹底していく」ことを確認答弁して、収拾しました。しかし、それで失ってしまった私の質問時間は返ってこないので、残念としか言いようがありません。他にも追及したい問題があったのに・・・。

残念ながら、この有期雇用特措法、労働者保護ルールの改悪を続ける与党の賛成多数で可決してしまいましたが、先週から今週にかけての質疑を通じて、下記の反対討論にもある通り、今回の法案は実に問題の多い法案であることを明らかにできたと思います。今日からいよいよ労働者派遣法改悪案の審議が衆議院で始まりましたが、私たちは引き続き、法案の問題点を徹底追及して闘っていく所存です。

 

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有期雇用特措法 反対討論(2014年10月28日)
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民主党・新緑風会 石橋 通宏

 

民主党・新緑風会の石橋通宏です。

私は、会派を代表し、議題となっております「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案」に対し、反対の立場で討論を行います。

以下、反対の理由を具体的に申し述べます。

第一に、今回の法案に、そもそも立法事実が存在していないことです。

5年無期転換ルールを導入した改正労働契約法は、2013年4月に完全施行になったばかりで、実質的にはまだ誰も無期転換ルールの対象となっておらず、具体的、客観的な問題は発生しておりません。

しかるに本法案は、労働契約に関する基本的な民事ルールを定める労働契約法に、行政側が個別法をもって例外を設けるもの、つまり、本来、労働契約関係にある全ての労働者に等しく適用されるべき無期転換申込権を、対象となる二つのカテゴリーの労働者について権利制限してしまうものです。昨年の臨時国会で成立した「改正研究開発力強化法」に続いて、立法事実もないままにまたもや今回、例外を設けようとすることは、有期雇用契約の濫用を防ぎ、労働者の保護を強化することを目的とした改正労働契約法の趣旨を損なうものであり、認めることはできません。

第二に、今回、無期転換ルールの見直し議論に至った過程に、深刻な瑕疵があることです。

今回の見直しは、昨年、国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の議論で突然、飛び出してきたものですが、労働者の代表が1人も含まれていない会議体で、雇用のあり方の原則にも関わる重要案件について勝手に意志決定を行うことなど言語道断です。これは、雇用・労働政策に関する議論は、三者構成の労働政策審議会で行うという基本原則を踏みにじるものであって、断固、容認できません。

第三に、本法案は、本来、ごく限定的かつ厳格に定めるべき「専門的知識等を有する労働者」の具体的要件を、法律の条文で明確に定めることなく、省令等に委任をしており、将来的にその範囲が拡大され、制度が濫用される恐れがあることです。加えて、法案の趣旨から言えば、対象となる「高度専門労働者」の処遇は、同一労働に従事する一般労働者に比して均等以上のものが保障されるべきであり、かつ、中途の雇い止めは原則、禁止されるべきですが、そのことが法文上は一切、担保されておりません。これでは、制限される権利の内容と比して、適切な保障がなされているとは言えず、到底、認められる法案ではありません。

第四に、定年後の継続雇用労働者に対する例外措置については、それが同一事業主の下で異なる権利をもつ高齢有期雇用労働者を存在させ、かえって雇用継続や処遇などにおける差別的取り扱いなどの混乱を現場に生じさせてしまう恐れがあることです。

今、やらなければならないのは、改正高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえ、希望者全員の65歳までの継続雇用を確実に確保することであり、60歳定年以前から有期雇用であった高齢者への対応を含め、政府としてその対策を強化することであり、本法案はその観点からも賛同できるものではありません。

以上、四点に絞って、本法案に反対する理由を申し述べました。良識ある本委員会の委員の皆さま方が、立法府の意志として揃って反対していただくことを要請し、私の反対討論を終わります。ありがとうございました。