12月3日(木)午前、標記会議が開催され、安倍政権が掲げた「一億総活躍」の緊急対策のうち厚生労働分野に関わる以下の3項目について、政府からヒアリングを行いました。

(1)子育て

「希望出生率1.8」に直結する緊急対策として、保育士の人材確保があげられていて、たとえば小学校の教諭免許を持っていて休職中の人などの活用を加藤担当大臣は発言しているが、具体的に文科省と調整を行っているのか質問が出ましたが、あくまで採用を可能にする措置なので調整はしていないとの答えでした。

また、処遇改善加算の対象は保育士に限定されるのか質問したところ、園全体での支給になるので、事務員など保育士以外にも適用は可能とのこと。

働き方改革をうたっているが、国会にすでに提出されている「労働基準法改正案」には、裁量労働制の追加が盛り込まれていて、時間で区切られた方が子育てしやすいのではないか、むしろ長時間労働の規制こそ緊急に措置すべきとの指摘が相次ぎました。

(2)最低賃金

「2020年頃に、最低賃金1,000円を目指す」とあるが、民主党政権下では6.2%最低賃金を上げてきたが、安倍政権になってからは1.6%しか増えていない。どうやって中小企業などの反対を抑えて実現させるのか等いくつか質問が出されましたが、従来どおり審議会で十分検討していただくとの答弁。結局、GDP600兆円が前提の絵に描いた餅であることがはっきりしました。

(3)介護

「介護離職ゼロ」に向けて、介護施設約12万人分を前倒し・上乗せして、約50万人分以上に拡大するとあるが、総理の指示を受けてから公表するまでたった1日しか時間をかけていないことが判明し、2024年には実現することになっていた50万人の数字を前倒ししただけで、上乗せするような検討は行われていないのではないかとの厳しい指摘に、今回の緊急対策と併せて実態調査を市町村レベルで行うので、第7期以降の介護保険事業計画に反映されていくとの答え。数字ありきであることを事実上認めた形となりました。

以上、3項目とも、見映えのする数字を安倍政権は並べただけで、内容の検討がともなっていないことがはっきりしたヒアリングとなりました。

(報告者 田中秘書)