先にお知らせしていた通り、5月19日(月曜日)に、民主党文教科学部門会議による沖縄県・八重山教科書採択地区問題に関する視察を実施し、私も構成員の一人として参加してきました。以下、視察の概要を報告します。

 

(まずは沖縄県庁内で、沖縄県教育委員会の皆さんとの会合。終了後、メディアのぶら下がり取材に応対)

 

 

今回の訪問では、八重山教科書採択地区問題の当事者である沖縄県、石垣市、竹富町の教育委員会と直接お会いし、ヒアリングを行いました。それぞれ中身の濃い会合でしたが、得られた情報をごく簡潔にまとめると次のようになります:

 

【沖縄県教育委員会】竹富町を八重山教科書採択地区から切り離し、単独で採択地区に指定する方向で5月21日の教育委員会に諮る。認められれば、竹富町が単独で教科書研究など出来るよう支援する。 (石橋コメント)沖縄県教委として、改正教科書無償法に則った教科書採択地区の変更を、市町村教委の意向を出来るだけ尊重して実現しようという意志が感じられました。これまで文科省からの圧力にも屈せず、竹富教委の主張を支えてきた沖縄県教委の姿勢に敬意を表したいです。

 

【石垣市県教育委員会】八重山は一体であり、共同採択地区は今後も継続していくべきだが、公民の教科書について法違反をしているのは竹富町であり、石垣・与那国から歩み寄ることはない。 (石橋コメント)八重山は一体と言いながら、石垣側から歩み寄ることはないと否定されたのは残念でした。視察団の団長である中川・元文科大臣は、「和して同ぜず」という言葉を贈りました。八重山地域はこれからも一つだが、必ずしも全く同じである必要は無く、それぞれの自治体の特色を生かした取り組みをお互いに尊重しあっていくことが大事だ、という意味です。

 

【竹富小学校校長】竹富では、町内みんなで力を合わせて子どもの学びを支えている。教科書問題で混乱はなく、子どもたちの学力も秋田に近いぐらい高いレベルになっている。 (石橋コメント)現場の皆さんが誇りを持って教育に携わっておられることがよく伝わりました。一クラスの生徒数は少ないですが、子どもたちも元気いっぱい、勉強に励んでいました。

 

【竹富町教育委員会】竹富教委は地教行法に則って教科書選定に責任を果たしてきたし、竹富だけが教科書無償法違反というのは納得出来ない。民主党政権の時には無償法の対象にはならないが、町が独自に教科書を無償で子どもたちに配布することは問題ないと言ってくれたのに、自民党政権になったら急に法違反だからダメだと言われた。我々としては、単独で教科書採択を行いたいし、教科書研究も十分できる。将来的には、学校単位で教科書が採択出来るよう頑張って行きたい。(石橋コメント)私も、この3年間の竹富教委と文科省とのやりとりを全て確認しましたが、竹富教委の主張の方が正しいと判断しています。教委の皆さんが本当に自信と誇りをもって子どもたちの教育にあたっていただいていることを強く感じましたし、ゆくゆくは学校単位で教科書採択を出来るようにしたいという方向性もばっちりです。

 

ということで、タイミングも良く、充実した視察となりました。

 

そして!

5月21日(水)に開催された沖縄県教育委員会の会合で、竹富町を単独で教科書採択地区として認めることが決定されました。良かった!

教科書問題: 竹富に「満額回答」地区協内は不協和音(毎日Web 5月21日)

 

でも、まだ安心はできません。上のリンクの毎日新聞の記事にもあるとおり、これから沖縄県教委がその決定を文科省に報告することになりますが、文科省・・・というよりは、下村大臣をはじめとする自民党の文教族たちがすんなりその決定を認めるかどうかです。法律上、決定権は沖縄県教委にあるのですが、国(文科省)が助言、指導できるという規定があって、こういう規定をつかって意に沿わない自治体の決定にイチャモンをつけるのは自民党の常套手段。これまでも散々、竹富町に筋違いの強権発動をしてきましたからね・・・。

 

私たち民主党の文部科学部門としては、今後の展開をしっかりモニターしながら、沖縄県教委の決定が尊重されるよう、そして、竹富町教委が今後、無事、教科書選定のプロセスを履行できるよう応援していきたいと思います!

 


(石垣市教育委員会・玉津教育長との会談)

(竹富小学校の校長先生との会合)

 (竹富小中学校の入り口にて)

(竹富島にて。とってもいい雰囲気です)

(竹富町長を表敬訪問)

(竹富町教育委員会の皆さんとの会談)

(石垣市長を表敬訪問。政治が教育に介入することはしないと断言!)