今日、6月26日(木)の午後、都内で行われた大変興味深いシンポジウムに参加してきました。タイトルは、ずばり『何がいけなかったの?フューチャー&学び〜』! 分かる人にはすぐ分かる、分からない人には何のことやら全く分からないというマニアックな(笑)タイトルですが、これ、私が世話人を務めている「教育のICT利活用促進をめざす超党派勉強会」の有識者アドバイザーグループにご参加をいただいた、慶應大学の中村伊知哉先生が企画されたシンポジウム、教育現場におけるICTの利活用促進を図るためのイベントなんです!

実は、これも知る人ぞ知る話ですが、昨年秋、平成26年度予算編成前の行政評価レビューで「ICT教育関連事業」がレビュー対象に取り上げられ、その結果、予算が大幅に削減されてしまったという経緯があったのです。そこで、あらためてICT教育の必要性と有効性を議論するために、その行政レビューで厳しい評価をされた評価委員の二人をお招きして、中村先生はじめ推進側のお二人との公開パネルディスカッションが企画されたというわけです。

行政レビューを行った側のパネリストには、土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授と山田肇・東洋大学大学院経済学研究科長。推進側からは中村先生に加えて、松原聡・東洋大学経済学部教授という顔ぶれでした。会場には、200人以上の参加者が集まってきていて、スゴい熱気を感じました。また、インターネット動画のニコ生でネット中継もされていたので、そちらをご覧になった方も大勢おいでになったと思います。

で、中身の議論はというと・・・

白熱したバトルになるかと期待(笑)していたところ、行政レビュー側のお二人も、意外にもICT教育の必要性や意義は認められていて、むしろ、文科省や現場の先生方の本気度が伝わってこないとか、ICT教育の目標が不明確で、かつその実現に向けた具体的な工程表がないといった、推進に向けた政策のあり方や改善点に関する指摘が目立ちました。つまり、とっても建設的な議論が展開されたということですね。

で、その白熱した討論の途中に、会場にいた私に突然、司会者から指名されてコメントを求められたので、ICTを活用した学びのイノベーションのためには、もはやその是非を議論する段階ではなく、どんどん実行に移す段階に来ていること、そして実行を果たしていくためには、「ハード、ソフト、ヒューマン、クラウド」をセットで推進する必要があること、などを指摘させていただきました。あとおまけで、民主党政権時代に私がかかわったワーキングチムが作成した「教育における情報通信(ICT)の利活用促進に関する政策提言」には、今日のシンポジウムで指摘があった課題やその対策などが全て盛り込まれていたことにも触れておきました。あの政策が即実行に移されていればと、今さらながら残念な思いです。

さて、今日のシンポジウム、とっても充実した議論が展開されましたが、中村伊知哉さんが最後に「今日のシンポジウムのキーワードは『本気度』と『実行』ですね」とりまとめられた言葉に尽きています。今後、政府の「本気度」を高めるためにも、超党派勉強会としてもしっかり役割を果たしていきたいと思います。