沖縄で集団的自衛権問題について講演

9月5日(金)の午後、民主党参議院の研修会に参加していた高知から、福岡経由で沖縄へ飛び、沖縄県立博物館の会議室で開催された情報労連沖縄県協「9.7平和行動」に参加しました。

9月7日は、1945年に、沖縄の日本軍が降伏文書に調印した日。ご存じの通り、日本政府は1945(昭和20)年8月14日にポツダム宣言を受諾して、9月2日に日本政府代表が米艦船ミズーリ艦上で降伏文書に調印していますが、その5日後に沖縄でも調印式が行われ、沖縄戦が正式に終結したわけです。沖縄では、この9月7日を「沖縄市民平和の日」、8月1日から9月7日までを「平和月間」と定め、記念行事を行っていますが、情報労連でもこの9月7日に合わせて、毎年平和行動を行っているのですね。

 

そして今年の集会、私もお招きをいただいて、「集団的自衛権の行使容認問題について」と題して講演させていただいたのです。沖縄での講演ということで、いつも以上に気合いの入った話しっぷりだったのではないかと思いますが、ときの権力者が、国民的な議論も国会での審議もなしに、勝手に憲法解釈を変更し、日本の戦争参加に道を開く集団的自衛権の行使容認を断固、許してはいけないという立場でお話しをさせていただきました。

そして翌、9月6日(土)、情報労連沖縄県協の砂川議長のご案内をいただいて、沖縄本島北部、ヘリパッド建設の反対闘争が続く東村高江の座り込みの現場と、そして辺野古の新基地建設反対闘争の現場を視察してきました。

 

高江のヘリパッド建設問題については、映画「標的の村」の三上智恵監督との対談記事(NTT労組新聞掲載)をご紹介した時に触れさせていただきました。今なお、高江住民の皆さんはヘリパッドの建設に反対し、現場に連日泊まり込んで闘争を展開しておられます。新たなヘリパッドは、高江の集落を取り囲むようにして建設されようとしていて、「ヘリパッドが完成してオスプレイが訓練を始めれば、もう高江では暮らしていけない」という住民の皆さんの叫びは切実です。

 

また、辺野古でも、多くの沖縄県民の皆さんや県外からの支援者の皆さんが抗議行動に参加しておられました。この日は朝から大雨で、大変厳しい条件だったと思いますが、それでも200人~300人ぐらいの方々が搬入ゲート横で座り込みをしておられました。多いときには、400人以上の方々が参加しているそうで、「段々と支援者の輪が広がってきている」との代表者のお話しでした。

今日、9月7日(日)は、沖縄県内各地で自治体選挙が行われた日で、辺野古のある名護市でも市議選が行われました。トラブルもあって開票が遅れているようですが、速報では、基地建設反対派が過半数を確保する情勢のようです。年初に行われた名護市長選で、建設反対の稲嶺市長が再選を果たしていることも含め、名護市民は繰り返し、基地建設反対の意思表示をしていることになります。

11月には沖縄県知事選が行われ、今一度、沖縄県民全体の意思も示されることになります。政府は、知事選前に既成事実を積み上げようと辺野古での作業を急いでいるようですが、名護市民、そして沖縄県民の意志を無視して建設を強行することは許されないはず。私も、引き続き情報労連・沖縄県協の皆さんと連携しながら、沖縄の米軍専用基地の実質的な削減に向けて取り組んでいきます。

参議院ODA視察調査団、順調に活動中です!

参議院ODA視察調査団の一員として、8月23日から中米に来ています。今、8月27日(水曜日)の午前7時過ぎ。昨夜、訪問3ヶ国目のニカラグアに到着して、今日から2日間、ニカラグアでの視察を行います。

最初の訪問地、ドミニカ共和国、2番目の訪問地、パナマ共和国では、それぞれ、予定通りの日程をきっちり消化し、所期の目的を遂げることができました。今、中米は雨期なので、雨に降られることを心配していたのですが、我々がプロジェクトサイトを視察する時にはなぜか雨が止むという幸運に恵まれていて、これまで大きな影響は受けませんでした。

以下、前半2ヶ国の視察の様子を駆け足で紹介します。


(北西部プエルトプラタ県アルタミラ市で。現地産のカカオ100%のチョコレート作りを行う女性グループ)

 


(地元出身の有名大リーガー、コロン選手が寄贈した野球場で。併設された野球博物館を視察)

 


(アルタミラ市の入り口に設置された情報観光センターで。観光客の増加に貢献しているそうです)

 


(サントドミンゴ市内の学校へ。日本の支援で校舎の増設を行い、生徒数の受入を増やすことができたそうです)

 


(ドミニカ共和国のメディーナ大統領と。日本国民からの支援への感謝の言葉が述べられました)

 


(パナマ市内の貧困地区にある託児所にて。草の根無償で教室の増設を行い、多くの地元児童の受入が可能になりました)

 


(パナマで活躍中のJICA海外青年協力隊員と。二人とも、地方の貧しい地域で奮闘中です)

 


(日本からの円借款事業で建設され、稼働が始まった下水浄化設備。これまでは浄化率ゼロ%だったそうです・・・)

以上、前半の報告でした。では、これからニカラグアの視察に出掛けてきます!

参議院ODA視察調査団で中米に出張してきます(8月23日~9月1日)

8月23日(土曜日)から9月1日(月曜日)までの日程で、参議院ODA視察調査団の一員として中米を訪問してきます!

今回訪問するのは、ドミニカ、パナマ、ニカラグア、コスタリカの4ヶ国。それぞれ、ODA事業のこれまでの成果、現状と課題、そして今後の方向性などについて、現地政府の開発援助担当者、日本大使館やJICAの皆さん、専門員や青年協力隊員の皆さんらからヒアリングすると共に、実際に今行われているODA事業の現場を視察してきます。

私もこれまで二度、ODA視察調査団に参加していて、最初はアジア(ミャンマー、ラオス)、二度目はアフリカ(タンザニア、モザンビーク)でした。今回は初めて中米への訪問になるので、政治、経済、社会の状況も含めてしっかり調査を行ってきたいと思います!

主な日程は以下の通り。短期間に4ヶ国回るので相当にハードな日程ですし、時差13時間、しかも常夏の地域で、かつ雨期でほぼ毎日雨が降っているとのことなので体調管理も大変ですが、走り回って頑張ってきます!

 

【ODA視察団行程表】

8月23日(土曜日) 成田空港~ニューヨーク経由~ドミニカ共和国(サントドミンゴ)
夜 大使館からのブリーフィング、意見交換

8月24日(日曜日) プエルトプラタ地方でODA案件視察、海外青年協力隊員との対話
夕方 サントドミンゴにて海外青年協力隊員との意見交換

8月25日(月曜日) 午前中 ODA案件視察、政府との対話
午後 ODA案件視察
夕方 ドミニカからパナマ(パナシティ)へ移動
夜 大使館からのブリーフィング、意見交換

8月26日(火曜日) パナマシティ近郊にてODA案件視察
午後 海外青年協力隊員との対話、ODA案件視察
夕方 パナマからニカラグア(マナグア)へ移動
夜 大使館からのブリーフィング、意見交換

8月27日(水曜日) 終日 マナグア近郊でODA案件視察、JICA専門家との対話
夜 政府関係者との意見交換

8月28日(木曜日) 終日 ODA案件視察、海外青年協力隊員との対話など
夜 ニカラグアからコスタリカへ移動
夜 到着後、大使館からのブリーフィング、意見交換

8月29日(金曜日) 終日 ODA案件視察、JICA関係者との対話など
夕方 政府関係者との意見交換

8月30日(土曜日) 終日 ODA案件視察、海外青年協力隊員との対話など
夜 解団式

8月31日(日曜日) 朝 コスタリカ発~ロサンゼルス経由~成田空港帰着(9月1日夜9時過ぎ)

 

映画『標的の村』の三上智恵監督との対談記事

今年6月23日(月)に、情報労連主催「沖縄ピースステージ2014」に参加した際、NTT労働組合情宣部の特別企画として、ドキュメンタリー映画『標的の村』の三上智恵監督と対談を行いました。

 

実は、8月9日号のNTT労組新聞に、その対談の様子が記事になって掲載されているのですが、NTT労組新聞を購読されていない方々にもぜひお読みいただきたい内容なのです。幸い、NTT労組情宣部の許可をいただけたので、以下、記事全文(PDFファイル)へのリンクを掲載しておきます。

「標的の村」三上監督−石橋議員対談記事 前半
「標的の村」三上監督−石橋議員対談記事 後半

詳細はぜひ記事本文をお読みいただければと思いますが、以下、簡単に背景を説明しておきます。

2012年10月1日、沖縄・普天間基地にオスプレイが配備されたこと、そしてその時に、普天間で、沖縄で何が起こっていたかを皆さんはご存じだったでしょうか?

今年になって、オスプレイが首都圏に飛んできて、住民からの反対運動が起こった時のことは、全国メディアも一部、取り上げていたので、皆さんも注目されたと思います。しかし、オスプレイが岩国基地で組み立てられ、最初に普天間に飛来してきた時のことは、沖縄以外ではあまり報道されなかったので、よほどアンテナを高くしていた人しかその時の状況は分からなかったのではないでしょうか。

ましてや、私自身もこれは映画を観て初めて知ったのですが、オスプレイが飛来する直前、オスプレイの配備に反対する県民たちによって、あの普天間基地が一時的に封鎖されていたという前代未聞の出来事のことは、沖縄以外では全くといっていいほど知られていなかったと思います。さらに、オスプレイの訓練を行うために、沖縄本島の北部、自然豊かな「高江地区」に新たにヘリパッドが建設されていたこと、その建設に地域住民の皆さんがずっと反対運動を行ってきたこと、そして、平和的に反対運動を行っていた住民が、国によって訴えられてしまったこと(いわゆる「スラップ訴訟」)などの事実は、ほとんど知られていないのではないでしょうか。

ドキュメント映画『標的の村』は、そのような沖縄の現実、日本の現実を描き出しています。そして、米軍基地問題を巡って、沖縄県民が分断され、争いに巻き込まれてしまっている残念な現実も・・・。

三上監督との対談では、実は、沖縄県内でも、米軍基地問題に関する真実が伝えられていない、知られていない状況も語られています。今、平和をいかに創り、育てて行くかをあらためて考えていくためにも、ぜひ対談記事をご一読下さい!

コピペ疑惑が象徴しているもの

戦後69回目の広島、長崎の慰霊の日が終わりました。私も、短時間ではありましたが、8月4日(月)に情報労連主催の「広島ピースフォーラム2014」、8月7日(木)に「第25回長崎平和フォーラム」に参加して、全国からお集まりの仲間の皆さんと、今まさに平和を考え、平和を「創り、育てる」運動にみんなの力を結集することの重要性を訴えさせていただきました。

そんなとき、飛び込んできたのがこの報道!

なんと、広島の平和式典で挨拶した安倍総理の演説内容が、昨年のものとほぼ同じだったというのです。いや、そんな馬鹿な???と思ってネット上を探してみると、ありました。去年の挨拶文と比較してくれてるサイトが!

安倍首相、「広島原爆の日」の挨拶 ”去年のコピペ”疑惑を検証する(The Huffington Post 2014.08.07)

いや、まさかの本当でした。思いを伝えるのに重要な、導入部と締めの部分が昨年とほぼ同じというのは、そもそも思いなんかこれっぽっちも込められていないと言われても仕方ないでしょう。

そして、広島は、挨拶文を用意した事務方のミスで、指摘を受けてさぞかし安倍総理もご立腹だろう、長崎はちゃんと思いを込めて挨拶をしてくれるだろうと思っていたら・・・

またしても同じだったんです!

安倍首相「原爆の日」あいさつ、長崎でもコピペ? 被爆者から批判も(The Huffington Post 2014.08.10)

これではもう確信犯です。というか、「昨年と同じ感じで構わないから適当に作っておいてよ」というのが安倍総理のオーダーだったのでしょうね。そして、自分で思いを入れるために加筆修正することもなく(自分の実績を語るところは手をいれたのかも知れませんが・・・苦笑)、そのまま作文を読み上げただけなんでしょうね。

安倍総理のこの態度を見れば、集団的自衛権の行使容認問題で、「国民の命を守るために」を連発している安倍総理の言葉がいかに空疎、空虚なものかが分かるじゃありませんか!  多くの人が指摘をしているように、安倍総理は単に自分の政治信条(戦争のできる国? アメリカとの血の同盟を実現できる国?)を実現したいだけで、それ以外には何の思いもないのだと。今回のこの信じがたい行為は、まさにそのことを私たちに証明してくれたのではないでしょうか?

情報労連「第25回長崎平和フォーラム」に参加してきました

今日、8月7日(木)、夕方ごく短時間だけになってしまったのですが、情報労連「第25回長崎平和フォーラム」に参加して、皆さんにメッセージをお伝えしてきました。

今日はまず、千葉市内で開催された「NTT労組南関東総支部・結成大会」に参加させていただいて、皆さんに連帯のご挨拶。そのまま羽田空港に向かって、長崎行きのフライトに飛び乗ったのですが、またしてもフライトが遅延・・・。平和フォーラムの会場に駆け込んだときは、途中休憩が終わった後で、過去に参加された皆さんはよくご存じの「構成詩」がちょうど始まるところでした。

私も、長崎平和フォーラムに参加するのはこれで4回目だと思いますが、いつもこの構成詩を見させていただくのを楽しみにしています。基本的な構成は同じなのですが、毎回、その内容や曲がアップデートされていて、例えば今回の構成詩には「集団的自衛権の行使容認」問題に対する痛烈な批判がしっかり含まれていました。

お父さんお母さんから子どもたちまで、長崎の地元の皆さんや支援スタッフの皆さん、そしてそれに全国からの参加者も加わってつくる構成詩。今日も感動しました。原爆の悲惨さ、戦争の愚かさ、平和の尊さを、この構成詩から学び、そして回りの仲間や子どもたち、孫たちに伝えていく取り組みが必要であることを全体で共有できたと思います。

あっ、そして、長崎県協の上田議長のパフォーマンスも、ますます磨きがかかっていましたよ(^_^)v

残念ながら、私の滞在時間はほんの30分だけでしたが、構成詩も見ることができたし、参加者の皆さんにご挨拶する時間もいただけたので、本当にありがたかったです。残りの2日間、ちょっと台風が心配ですが、ぜひ成功裏に全プログラムが終了することを祈念したいと思います!

情報労連「広島ピースフォーラム2014」に参加しました!

今日、8月4日(月)、広島で情報労連主催「広島ピースフォーラム2014」が3日間のプログラムをスタート。私も、午後に行われたフォーラムに参加してきました。

 

今回のピースフォーラムには、全国からおよそ160人の皆さんが参加。現地実行委員会や支援スタッフの皆さんを含めると、総勢で200人以上の規模になります。今日のフォーラムでは、冒頭の主催者代表あいさつに続いて、広島市立大学広島平和研究所の河上暁弘(かわかみあきひろ)准教授による特別講演「いま試される広島の平和~核兵器廃絶と平和憲法の現況と展望」、NTT労組広島原爆被爆者・二世協議会の皆さんによる講演「原爆の実相に迫る第一部~第二部」、そして最後に被爆体験証言が行われました。

 

被爆体験証言は、情報労連の先輩お二方からの貴重なお話しでした。下畠準三さんと松木忠生さん、それぞれ14才と9才であの日、8月6日を迎えられ、その瞬間から壮絶な体験をされました。今日は、その瞬間、どこで何をしていたというお話しから始まって、その後の状況を時間軸をおって描写いただきながら、原爆投下後の人々の悲惨な状況を私たちに教えて下さいました。

 

お話しの最後に、お二方は「ぜひ原爆の、そして戦争の悲惨さ、愚かさを伝え、尊い平和を創り、育てる運動に参加をして欲しい」と力強く私たちに訴えられました。今日のフォーラムの中でも、直接原爆を経験した被爆者は年々数が少なくなってきていて、直接お話しを伺えるのは貴重な機会になっているという話が何度も出てきました。このような平和行動を通じてお聞きした話を、私たちがしっかりと子どもや孫たちに伝えていかなければなりません。

私は、今日のフォーラムだけの参加でしたが、参加者の皆さんは戦後69年目の8月6日を広島で迎えます。明日あさっての行動を含めて、ぜひ戦争の悲惨さ、愚かさ、そして平和の尊さと大切さを実感し、今後の行動につなげていただければと思います。

第2回「集団的自衛権行使容認に反対する勉強会」を開催

本日(7月22日)、私も呼びかけ人となっている「平和と安定のための安全保障を考える連絡会」の主催で『集団的自衛権行使容認に反対する連続勉強会』の第2回目を開催しました。

講師は、「明日の自由を守る若手弁護士の会(通称、あすわか)」の早田 由布子(はやたゆふこ)事務局長。「法律家から見た様々な課題と今後の運動の展開」というテーマで約20分、ご講演いただき、残りの時間で参加者の皆さんと意見交換させていただきました。

早田さんが活動されている「あすわか」は、2012年4月に発表された「自民党改憲草案」に反対の声を上げるため、登録15年以下の若手弁護士有志の皆さんが2013年1月に立ち上げた任意団体で、現在、全国で約330名の若手弁護士が参加しているそうです。改憲や護憲ではなく、「知憲」を掲げて、「まず憲法を知ろう」をテーマに、法律を学んだことのない方々にもわかりやすく憲法の知識を得てもらうための幅広い活動を行っています。今回の安倍政権の解釈改憲による集団的自衛権の行使容認問題についても、大変積極的に問題提起されているので、今回お話を聞く機会を設定したというわけです。

早田さんは、今回閣議決定された自衛権発動の新三要件が、地理的範囲もない非常に曖昧な内容で、限定容認どころか内閣に対する白紙委任となってしまっていること。また、特定秘密保護法のもとでは、国会議員であってもきわめて限定的な場合でしか情報が開示されないため、自衛権行使が新三要件をみたすか否かの実質的判断ができず、国会の事前もしくは事後承認の有効性が疑われること。さらには、閣議決定されたことで、中学高校用教科書で集団的自衛権についての記述がある11社(中学3社、高校8社)のうち、8社が記述内容の訂正申請を検討するなど、集団的自衛権行使の既成事実化がどんどん進んでいく危険性があることなど、大変わかりやすく、かつ端的に、この問題の重大性をご指摘いただきました。

これから、自衛隊法等、個別法の改正の分野に入っていくと、国民にとって議論がますます見えづらくなるので、今、世論を盛り上げることが絶対条件で、そのために「わすわか」では、安倍内閣に即時反論をするために、1時間以内にわかりやすい資料を発表できるよう常に準備していること。主権者意識の向上のために「憲法カフェ」のような草の根学習会を全国で展開している等、運動の展開についても、今後の私たちの活動に大変参考になるお話を聞くことができました。

今日も暑い中、足を運んでいただいた多くの友好団体の皆さんともしっかり連携しながら、さらに国民の皆さんに、この問題の理解が深まるよう活動の情報発信を強化していきますので、皆さまの引き続きのフォローをよろしくお願いします。

第1回「集団的自衛権の行使容認に反対する勉強会」議事録

7月14日に開催した第1回「集団的自衛権の行使容認に反対する勉強会」、すでにこのブログでも報告済みですが、議事録が出来ているので掲載しておきます。「分かりやすい!」と評判です。ぜひご一読を!

ちなみに、7月22日に第2回勉強会をやります! 詳細はFacebookページの案内をご覧下さい!

 

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「第一回 集団的自衛権行使容認に反対する勉強会」講演録
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○講演日時:平成26年7月14日17時~
○講師:半田滋 氏(東京新聞論説兼編集委員)
○講演録:

東京新聞の半田です。
7月1日に閣議決定がなされ、直ちに記者会見が行われました。安保法制懇の答申後の5月15日の会見と同じようにウソをついているなと思うところが多々あります。今回は、7月1日の安倍首相の言葉を、実は違うのではないのかと言うことについて述べさせていただきます。

1.紛争国から日本人が米国艦船で避難するばあい、その米国艦船を日本の自衛艦が警護する事案について

紛争国から帰国する母子が米国の輸送艦に乗って避難し、警護の依頼が来ているのに今の憲法解釈ではできないと赤い大きな×が打ってあった。しかし、本当にこのような日本人親子がいるのだろうか。
既に国会ではもう議論になっているが、これを規定しているのが日米ガイドラインである。1993年に、北朝鮮がNPT脱退を表明したあと、アメリカが北朝鮮の空爆を計画した。このときに我が国政府は、集団的自衛権の行使は認められていないので、アメリカが期待するような対米支援は何も出来ないという回答をし、日米の関係が多少ぎくしゃくした。
それをうけて翌年の日米ガイドラインの改訂にいたるが、ガイドラインの周辺事態というのは、朝鮮半島で戦争が起こったときに自衛隊が支援をするという趣旨の内容が書いてある。その周辺事態の中で、日本人の母子のような非戦闘員を第三国から安全地域に退避させる必要のある場合には、おのおの国が責任を有するとされている。
すなわち日本政府は日本国民を、アメリカ政府はアメリカ国民を運ぶと書いてある。続く文章で、言い訳がましく余裕があれば日本人を運ぶことも考えても良いとなっているが、肝心なのは「おのおのの国が責任を持つ」とのくだり。前後するが「日米防衛協力指針委員会」で、自民党の中谷元衆議院議員が、(我が国避難民の移送について)最終的にはアメリカに断られたと国会の中で発言もしている。
そもそも安倍総理が熱弁をふるったような、米国艦船に乗って運ばれる日本人はいない。いたとしても極めて限定的であって、それを中心に押し立てて集団的自衛権の行使をしなければいけないという議論は筋違いである。
少し考えて見ればわかるが、アメリカの船を警護出来るくらいなら、なんで自衛隊の艦艇や航空機で、日本国民を直接運ばないのかと疑問である。
おのおのの国民を運ぶとういのが元々のガイドラインの精神であるので、この話自体が話にならない。

2.自衛隊の機雷除去にみるような戦闘行為(武力行使)への参加

本日の国会審議でもあったが、そもそも安倍総理の頭の中には多国籍軍のホルムズ海峡における機雷の除去の事があると思う。
機雷の敷設自体が武力行使であり、これを除去する行為自体が武力行使になる。首相は「消極的な武力行使」とは言うが、要は武力行使なので、「戦闘に参加することは決して無い」と言いながら(武力行使となる)戦闘に参加すると言っている。例えばイラク戦争は、国際法的な位置付けはどうかと言えば極めて曖昧で、あれがアメリカの先制的自衛権の行使なのか、或いは国連の安全保障措置としての武力行使だったのかというと非常にはっきりしない。
少なくともアメリカ政府は、パキスタン戦争と違って、国連安保理に個別的自衛権で戦争を始めたとは報告していない。違法な戦争にとどまっている。ただし、本格的な戦闘が終結したあと、ブッシュ大統領が宣言した2003年5月以降は、国連安保理の措置として、いわゆる多国籍軍ができたので、それ以降は国連の安全保障措置といえる。
我が国政府、2003年にイラク特措法を作った。小泉首相は、「日米同盟、信頼関係の構築について、これからも重要なことだと認識しております」と述べて自衛隊のイラク派遣を決め、翌年の一月に自衛隊がイラクのサマワと隣国クウェートに自衛隊が送り込まれた。憲法の規定で人道支援にとどまった。
しかし、安倍首相は日米同盟を強化するとして、集団的自衛権の行使を解禁したのだから、論理の帰結として当然、次は自衛隊が武力行使を目的としてイラク戦争のような場面に送りこまれることになるだろう。首相は「戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」と言っているが、これまでの日本政府のアメリカ政府とのつきあい方を見れば、断ることができるはずがない。今後、戦闘部隊も送り込むのではないかと指摘せざるを得ない。

3.安倍首相の言う限定的な武力行使の結果

安倍首相の発言によれば、「他国を守る為に日本が戦争にまきこまれるという誤解があるか。あり得ない」と発言している。ここで「あり得ない」といっているので、「限定的」な集団的自衛権行使した後の、やり返されたときの対処を、政府は何も考えていないと判断せざるを得ない。
昨年3月17日の北朝鮮の労働新聞にもこう掲載された。「朝鮮半島で戦争の火花が散り、自衛隊が介入しても日本が無事だと思いたいならば、それより大きな誤りは無い。」すなわち、限定的であれ、有事に参加すれば手痛いしっぺ返しが帰ってくる。朝鮮労働党はそう言っている。具体的にどういうことが起こるのか。
1993年に北朝鮮がNPT脱退の際、我が国政府は、戦争になるかもしれないと、関係省庁が集まり起こりうる事態について検討した。現在の統合幕僚監部が、対処計画、マル秘計画を策定したが、そのさい起こりうる事態として北朝鮮が軽歩兵師団およそ1万人程度は日本に差し向けることができると推定された。
彼らがどのような手段で日本に来るかは特定していないが、彼らが行うことは、重要施設や港湾などの破壊活動である。では重要施設とは何かと言えば、国会などの政府中枢機関、港湾や原子力発電所、発電所、水道などインフラ施設を破壊する。日本の港には、水中聴音機が張り巡らされていて、他国の潜水艦が入れないように監視されているが、私が知っている位ですから、北朝鮮は、そういう施設も破壊することが予想される。
弾道ミサイルの保有数は93年当時とは比べものにならない。米国防総省は昨年発表した報告書で発射機は350基としている。弾頭はもっと多いだろう。「限定容認」というのはこちらの立場で、相手がそれで許してくれるかどうかは、相手が考えることだ。日本が受ける被害は、限定容認だろうが、本格的な集団自衛権の行使だろうが、変わりない。

4.安倍首相の言う「積極的平和主義」は、「平和主義」の部分より、「積極的」の部分に重きが置かれている

我が国は、平和国家としての道を歩んできた。自衛隊の創設以来、日本国憲法の武力行使、戦争放棄を定めた上での活動が連綿と行われてきたわけで、今回、他国の防衛の為に武力を行使するのだというのは、まったく今までの政府の見解とは次元を異にしていると言える。安倍首相の言う「積極的平和主義」ですが、「積極的」なところに重点があって、平和の為には武力行使もいとわずというのが、安倍首相の考え方だ。
我が国は戦後一貫して平和国家として武力とは無縁な形で国際貢献を続けてきた。見直されようとしているODA大綱でも、今後は軍と援助が使われるようになる。すでに武器輸出三原則はなくなり、武器輸出を認める防衛移転装備三原則にかわった。
そうなるとこれまで国際社会の日本を見る目が違ってくるのではないか。国際軍縮会議などで、武器輸出をしないことでとれたイニシアチブがこれからは取れなくなる。アメリカやロシアと同一視されることになる。また、イラク派遣では人道支援にとどまったにも課下保らず、アルカイダ系武装集団から敵視をされ、昨年のアルジェリアでの日揮の事件では、日本人が探され、10名が亡くなる悲劇も起きている。今後海外で活躍する日本人が攻撃されることが出てくる。

5.結びとして今回の「新三要件」がもたらす帰結

本日の国会論戦でもそうだと思ったが、新三要件は、法律的な文章としてみれば、実はものすごく歯止めが効いている。
これは「武力攻撃が発生」し、「これにより我が国の存立が脅かされ」、なおかつ「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される」と明白な危険がある、と三重に縛りが効いている。内閣法制局が見て、我が国の憲法にも反しないと判断しているわけだから、この通り読んでいくと、安保法制懇や与党協議で話されてきたような集団的自衛権行使の事例は何一つ出来ないことになる。
公明党の山口代表は「今までと変わりません」と言うが、この文章をみる限りでは、集団的自衛権について、その主張は正しいと思う。しかし、安倍首相は「集団的自衛権が行使できるようになった」と言っている。
ではどうなるか。最終的には首相の総合的な判断こそが前面に出てくるのではないか。来年の通常国会で予定される自衛隊法などの法改正は、「直接侵略、間接侵略に対して武力行使出来る」という専守防衛を踏み越え、「他国の防衛の為に自衛隊を活用する」といったはっきりとした書き方になるだろう。
しかし、それでは内閣法制局が憲法に違反するといって法制局を通さない事態も出てくる。通らなければ改正案を国会提出できないので、集団的自衛権の発動は出来なくなるから、改正案も今回の閣議決定のように曖昧となってしまうおそれがある。
そうすると最後は時の政権の判断、さじ加減で自衛隊が武力行使をすれば良いとなる。日本版NSCもできて、首相、官房長官、外務大臣、防衛大臣の4人で、密室で協議し、アメリカ等から受けた自衛隊の派遣要請を、全てを特定機密にして囲い込んだうえで、いつ、どこで、何をやるかと言うことを一切国会にも諮らず、国民にも示さないままに自衛隊を送り出してしまう。「原則」事前承認ですから、「時間が無かった」で通る。その後に、自衛隊が戦争をやっていることがわかる。こういったことが起こるのではないか。
曖昧にしてあって、「私が最高責任者である。」と言っていた事が現実になるのではないか。やはり極めて危険な局面を迎えたと考える。

(了)

「集団的自衛権行使容認に反対する勉強会」第1回を開催!

7月14日(月)、民主党の有志議員で立ち上げた「平和と安定のための安全保障を考える連絡会」の主催で、「第1回 集団的自衛権行使容認に反対する勉強会」を開催しました。会場には、連絡会の賛同議員の他、民主党支援組織からも多くの方々が詰めかけて下さって、この日の講師、東京新聞論説委員の半田滋さんの話にみんなで聞き入りました。

皆さんもご存じの通り、去る7月1日に、安倍内閣は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。私たちは、かねてより安倍総理の立憲主義を無視した政治手法に危機感を覚え、断固、このような横暴を許さないという思いで民主党内に「平和と安定のための安全保障を考える連絡会」を立ち上げました。

これまで、海江田代表に対して集団的自衛権行使容認に反対し、民主党としての立場・対応姿勢を明確化することを申し入れるなどの活動を行ってきました。今後、この閣議決定の是非や、自衛隊法などの個別法の改正案が国会審議の俎上に上ってくることを念頭に、この問題に関する理論武装をしっかり行い、党内だけではなく広くこの問題に感心を持つ支援組織の皆さんと連携しながら、集団的自衛権を行使することがいかに大きなリスクを伴うものであるかということを国民の皆さんにわかりやすく情報提供していく目的で、勉強会を開催していくことにしたわけです。

第1回の勉強会では、東京新聞の半田滋論説兼編集委員から「安倍首相会見(7月1日)の問題点」について、大変明快にご講演をいただきました。内容の詳細は、フェイスブックに連絡会のページを立ち上げ、議事録を掲載していますので、ぜひそちらをご覧下さい。今後、集団的自衛権問題に関する情報もアップしていきますので、フェイスブックを利用しておられる方は、ぜひ連絡会のページをいいね!してフォローいただければと思います。あっ、ついでに、石橋みちひろのページにもいいね!して下さいね(^-^)v