先週、4月3日(金)に、「電気通信事業法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、国会に提出されました。

電気通信事業法等の一部を改正する法律案(総務省HP)・・・概要、要綱、新旧対照表など

 

この法案は、昨年12月まとめられ、総務大臣に提出された情報通信審議会の答申「2020年代に向けた情報通信政策の在り方〜世界最高レベルの情報通信基盤の更なる普及・発展に向けて〜」の内容を踏まえ、我が国で世界最高水準のICT基盤そしてサービスを更に普及・発展させ、国民生活の向上を実現することを目指して電気通信事業法や電波法の改正を行うものです。

法案の主な内容は、以下の通りです。

1.光回線の卸売サービス等に関する制度整備

公正な競争環境の下で、異業種の新規参入など多様なサービス展開を実現することにより、光回線の利用率の向上を目指すために、主要事業者が提供する卸売りサービスについて事後届け出制を導入し、届け出内容を総務大臣が整理・公表する制度を整備する。

2.禁止行為規制の緩和

禁止行為規制を固定通信と移動体通信に区分けし、移動通信分野における禁止行為規制を緩和して、事前禁止(2号規制)の対象をグループ内の事業者への優遇に限定するとともに、様々な業種(自動車メーカー、警備会社、CATV等)との連携を可能にすることにより、M2M(機器間通信)やIOT(Internet of Things)といった多様な新サービスや新事業を創出することを可能にする。

3.携帯電話網の接続ルールの充実

MVNO(仮想移動体通信事業者)の迅速な事業展開を可能にし、移動通信市場の競争促進を図るため、二種指定事業者の携帯電話網の接続ルールについて、必要な部分だけを借りられる制度(アンバンドル化)や接続料の算定制度等を整備する。

4.書面の交付・初期契約解除制度の導入等利用者・受信者の保護

契約の締結後に、個別の契約内容を容易に確認できるよう電気通信事業者・有料放送事業者に対して光回線サービス、携帯電話、ケーブルテレビ等の主要なサービスについて、契約締結書面の交付を義務づける。さらに、利用者は契約締結書面受領後から8日間は、相手方の合意なく契約解除できる、いわゆるクーリングオフ制度をこの分野にも導入する。

 

法案の内容としては、ICT利活用の促進をめざすもので、私が従来から主張してきた項目が盛り込まれてはいるものの、踏み込み不足の点や、具体的内容が政省令に委ねられている点も多く、まだまだ制度の全体像、つまりこれでどのようにICTが発展し、国民生活が向上していくのかという最も重要な点が不明確です。これからの国会審議を通じて、できるだけ法案の具体像を明確にし、有効性を確保していかなければなりません。しっかり取り組んでいきますので、ご質問・ご意見等ありましたらぜひお寄せ下さい。